SYNDUALITY Noir
2期まで完走。なんだかんだ楽しかったし、アニメにおいて2クール分の積み重ねは大きいな~と改めて感じた作品でもあった。色んな側面から語れそうだけど、シンプルに色んなドリフターとメイガスの組がいてワイワイしていたところがだいぶ良かったかもしれない。作中でも言われる「人の良き隣人としてのメイガス」というやつだ。1期、特に序盤は(俗っぽさも含め)ドリフターの生活感だったり、各々がこの世界で(いい意味で)割と自分勝手に生きてる様が描かれていた気がする。そこから2期に入るとミステルの加入やイデアールの内情がわかっていくに連れて、少し上からの(俯瞰した)視点も加わって行く。そんな中で2期1話の、ミステルと共に今の世界を回って行くエピソードはなかなか良かったと思う。過去のマスター、過去の世界に比べ現代は~と嘆くミステルに、現代の人々は自分たちなりに生きてるんだよと伝えるエピソードだった。それに対してヴァイスハイトは地上に降り立つことも少なく、今の世界がどうあるかを直接見ずに過去の理想を追い求めている。この辺は対比になっていそう。
自分の足で今を(現実を)生きることがドリフターの生き方である一方で、カナタは幼少期から存在も不確かな楽園を夢見ていた。現実が大変な状況でも、夢を見続けられる、それがカナタが本作の主人公である所以なのかもしれない。エリーがカナタの夢を笑ってしまったことを後悔し続けているって話も良かったな。エリーはカナタ理解度高いおかげで後半色々活躍してたのも良かったと思う。
自分が何者かわからなかったノワールが、手にしたカメラで見た世界を記録して、それを通して自己を知るという落としどころもなかなか良かった。メイガスなのかどうかとかは関係なくて、ただ歩いてきた道のりが自分を形作るんだなって。最終話のサブタイの前半の、「My name is... Noir」なんだよな。
そして本作を語るのに欠かせない存在が、シエルだろう。最終話のヴァイスハイトの回想はたった1シーンだけど、シエルの歌は思い出として残るんだなとも思えるし、ヴァイスハイトが執拗にリセットを繰り返したこともなんとなく納得がいく良い回想だな……と思った。色々書いてたらこの作品のこと思ったより好きだったかも……になってきた(あるある)。