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2026/09/29 砂上メイド戦艦喫茶あぽかりぷちゅへようこそ

たーんえー
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公開:2026/9/30

今年発売のライトノベル『砂上メイド戦艦喫茶あぽかりぷちゅへようこそ』を最新2巻まで読んだ。荒廃した世界で、なぜか萌え萌えなメイドカフェ「あぽかりぷちゅ」を開いている(?)人々の物語だ。

かわいた世界を、『かわいい』で救う!?

主人公は「あぽかりぷちゅ」の外からやってきた、銀髪の少女・セグメ。彼女は物資の限られたこの世界で、清らかな飲み水、更にはジュースやオムライスなどを無償で提供する謎のメイドカフェと出会い、衝撃を受ける。流れでセグメはあぽかりぷちゅのメイドにスカウトされ、新人メイドのセッちゃんとしてメイド修業の日々を送ることになる……

このあぽかりぷちゅのメイド長にして戦艦の艦長を務めているのが、1巻の表紙にも載っているピンク髪の少女・ハゴロモ。彼女は、文献で知ったメイドやメイドカフェの可愛らしさをこの世界に広めるべく活動しているという。

最初はハゴロモのノリに全く付いていけないセッちゃんだが、メイドとして修業したり、他の先輩メイドたちとも交流を重ねることで、段々と真にあぽかりぷちゅの一員となっていく。セッちゃんが生真面目な性格なのも良くて、ハゴロモの突飛な発言に対する地の文の思考が面白い。地の文が面白い小説が一番いい小説ですから。

少し似たタイトルで「アポカリプスホテル」というTVアニメがあったが、あちらも荒廃した世界でロボットが宇宙人相手に真面目にホテルをやっていく、というズラし方は近いところもあるかもしれない。世界の荒廃っぷりに対して、ノリがやたらと明るい感じとか……

ハゴロモがメイドカフェを広めているのは個人の趣味な部分も大きいが、彼女は「人がかわいいと感じるには、まずその人に心の余裕が必要」と語る。この時代には食べるにも困っている、余裕のない人が多い。だからこそただ物資を与えるだけでなく、「かわいい」を通じて逆に心の余裕を思い出してもらえないか。心の余裕があれば、こんな時代でも人はもっと誰かに優しくできるのではないか、と。この辺の話題は意外と(というと失礼だが)真面目で、ぶっ飛んだ雰囲気と良いギャップが感じられた。

一方、この作品には重要な要素の1つとして「開電体質」というものがあるのだが、これは他のメイドの要素と特に絡まない戦艦を動かしたりするための要素なので、そこはあまり上手くハマってない気がしている。どうなんだろう。

2巻では、敵勢力として「修道女海賊(シスターパイレーツ)」が登場する(何??)。更にセッちゃんが後輩的な見習いメイドと一緒に行動をする機会もあったりと、セッちゃんがステップアップしていくお仕事モノとしての楽しさもある作品だ。

メインキャラクターたちにはまだまだ掘り下げ甲斐があるように思えるが、続巻はあるんだろうか。また作中でオリジナル曲が出てきたりライブシーンもある作品なので、映像化のポテンシャルもありそうだが……