今日は公開中の映画『クスノキの番人』を観てきた。
東野圭吾原作ということで、東野圭吾作品自体はそこそこ読んでいたのだが、本作は未読だった。昔からよく実写化はされていた印象だが、今作は初のアニメ映画化らしい。
あらすじとしては、親もなく職も失った主人公が叔母に引き取られ、クスノキの番人という仕事に就くというもの。クスノキに祈る、"祈念"という行為を軸としつつ、主人公含めて3つの家族を掘り下げていくような構成になっている。
最初こそなかなか治安の悪い始まり方だが、それも当人の生い立ち故ということが明かされ、そこからは割と地に足の着いた話運びになっていく。前述の"祈念"は唯一非現実的な要素なのだが、(詳細に触れるのは避けるとして)作中でそう描かれているものの別の現実的なものでもそれぞれ置き換え可能な概念であり、あくまで現実に近い視点での色々な家庭の話を描いているように感じた(それこそ祈念は『前橋ウィッチーズ』における"魔法"に近い気もする)。この辺りは実写化原作が多い作者ならではなのかも。
メインは本職でない人々が声優を務める作品だが、近年の他作品と比べても聴きやすい方だったと思う。特に叔母の天海祐希さんは声に迫力があるし、ヒロインの齋藤飛鳥さんはかなり自然で魅力のある演技だったと感じた。キャラクターとしても、叔母がカッコいい雰囲気で描かれていたり、頼りない主人公も立派な衣装を身に纏うと見違えた風に見えるのは結構良かった。メインキャラに特徴的な口癖付けるのはあるあるだけど、「愚かですね……」は字面のパワーがありすぎる!
全体として無難に楽しめたものの、正直なところ何か圧倒されるような要素や自分に強く刺さるようなエピソードは見当たらなかったかなぁ。逆に、そういう人の感想を読んでみたいかも。