カードファイト!! ヴァンガード Divinez
初めてちゃんと観たヴァンガードアニメ。じっくり観ていくつもりが、9話くらいから止まらなくなって全部観てしまった。一応前期アニメなんだけど、前期の中でも相当上位に来る面白さだったね……(やや後味が気になるキャラもいるものの)1クールで終わっても良さそうなまとまり具合だったと思うが、当然のように続いていくっぽい。続きがどういう感じになるのかあまりイメージ付かないな。
さて、内容の話も少し。全体を通して良かったのは、主人公の明導アキナの行動原理にしっかり軸を感じたこと。「わずかな光でも、手を伸ばしたものにのみ、奇跡が舞い降りる」というフレーズが印象的だけど、とにかく手を伸ばすことを諦めない。カードゲームでは山札からどのカードを引けるかは完全に運なのだが、一方で引かなければカードは引けない。諦めずに守り切れば次の自分のターンが来るし、引くチャンスが増えることになるのだ。そして、この「手を伸ばす」という言葉がヴァンガードというTCGの中に留まらず、運命を掴み取ることや、心が深く沈んだ友人を引っ張り上げようとする、といったところまで拡張されている。手を伸ばし続けようと思ったきっかけである過去の出来事が、変えようとしている運命であるというところまで繋がっているのも良い。
またOPもめちゃくちゃ良く、歌と映像の切り替わりがマッチしているところが気持ちいい。アキナと妹のヒカリがいつもの通学路を歩いている場面は、振り向いたヒカリの笑顔と、それを見て穏やかな表情をするアキナまで完璧で、この時間が一生続けば……と思わせてくれる。一見アキナからヒカリへの想いを歌っているような歌詞にも思えるが「日々は翳り」「生きる意味を奪った」「色も褪せて」辺りの単語を見るとむしろ逆、という感じもある。
好きなエピソードを挙げると、やはり11話「兄妹(きょうだい)」だろうか。そこに至るまでの展開もそうだが、何より「兄妹喧嘩」というフレーズが良い。(想像も含むが)病弱で家族に心配を掛けていたことは、少なからず負い目にもなっていたはずだ。そんな中で兄の行動に本気で怒っていたからこそ、本気で対等の喧嘩ができた。そして誰もが同じ舞台で戦える(喧嘩できる)のが、カードゲームなんだと思う。最終話で、最終的にお互いがヴァンガードは楽しい!ヴァンガードが好きだ!という気持ちを持つのも好きだ。やっぱり遊びは、楽しいことが原典だから。