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2026/08/22 創作人形浄瑠璃 新羅生門

たーんえー
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公開:2026/8/23

今日は、「糸あやつり人形一糸座」による創作人形浄瑠璃『新羅生門』を見てきた!

元々一度は人形浄瑠璃を見てみたいな~と思っていたところ、近い時期にこちらの創作人形浄瑠璃の公演が行われることを知った。「糸あやつり人形」という言葉に見覚えがあったのだが、どうやらフォロワーさんが以前観劇録を上げていたのと同じ劇団のようだった。

さて、今回の『新羅生門』は、元々存在する戯曲を人形浄瑠璃向けにアレンジした演目だそう。自分は「羅生門」というと芥川龍之介の小説が思い浮かぶがそちらではなく、「羅生門の鬼」として知られる、渡辺綱が羅生門で鬼と戦った話が着想元となっていそうだった。実際に新羅生門の中で渡辺綱も登場する。(すごく大雑把な説明だが)「新羅生門」は、鬼と、おとぎ話の主人公である桃太郎、金太郎、一寸法師らの対決に、現代人が巻き込まれていくという話だ。

会場は座・高円寺。客席はかなり舞台と近く、席数としてはそれほど多くはなかった。人形劇としては小さな人形やそれを操る人の動きが見所でもあるので、こういったコンパクトな会場向きだと思う。

開演すると、まずは左に鳴り物、右に太夫と三味線の担当者が登場。演奏と太夫による語りが始まるが、ここは歌舞伎の台詞のような、古い言葉の語りである。するとすぐに、老婆と、いかにも現代風の若者2人と老婆が登場する。彼らは人間の役者で普通に現代語を使うし、「闇バイト」や「スマートフォン」など、現代の概念も登場する。更に中盤以降の話にはなるが、(和風のイメージの人形浄瑠璃の中で)思いっきり洋楽が流れたりもする。こうやって古き時代に囚われず新しい要素が入ってくるのが「創作人形浄瑠璃」なのだろうと理解した。

舞台には穴(切穴と呼ばれるやつ)があり、人形も主にその下から登場してくる。人形は先ほど触れたように、鬼や桃太郎や金太郎たちといった物語の登場人物だ。現実の若者は現実の人に演じられる一方で、桃太郎たちは空想上の存在が具現化したもので、それ故に人形によって演じられる、という分け方は興味深い。

人形にはそれぞれ1人ずつ操る役の黒衣がいて、その人が声も担当している。生きていないものを人の力で動かし、人の声を与えることで生きているように感じさせるという意味では、ある意味「アニメ」に近いかもしれない(何でもアニメくん)。この舞台では登場する人形はかなり多く(10近く?)、それだけ人形を操れて舞台上で声も張れる人を集めてきたというわけだ。素直にすごい。

当然ながら人間と人形ではサイズが違う。だが、舞台上ではそのサイズ感の差を無視して演じられているし、見入っている内にいつの間にか自分の方も慣れてしまう。一方で途中、人形と人間が戦う場面があるのだが、設定的にはおとぎ話で活躍した人形の方が強いはずなのに、人間が普通に人形を掴んで圧倒する描写が時々あって可笑しくなってしまった(作中にはないはずのサイズの差が勝敗に直結しているように見えてズルい)。

特に演出として面白かったのは、一寸法師だ。一寸法師は名前の通り一寸しかないという設定のため人形は存在せず、代わりに姫が人形として登場し、一寸法師は「黒衣の持つ棒の先に光っているだけの存在」として描かれる。例えばこれが映像作品だったなら、必ず一寸法師を拡大してその姿を描くだろう。そうではなく、(打ち出の小槌で大きくなるまで)一寸法師はずっと光るだけの小さな存在という描かれ方をしていて、そこに舞台演劇っぽさを感じたりしていた。

物語としても、みんなで団結して鬼を倒す!というベタな話……では終わらず、(ちょっと要素過多には感じつつも)2時間分の見応えのある話になっていたと感じた。「鬼」を使ったことわざなど、台詞も色々と練られているなぁと。またネタバレになるので詳しくは言及しないが、終盤の最後の最後にあえて新たな人形を使う演出が特に良かったと思う。(想像だが)人形一体一体作るのになかなかの労力が必要なはずで、その場面のためだけに用意するということは、それだけ強い意図があるのだろうなぁと思ったりした。

全体的な感想としては、「糸あやつり人形」あるいは「創作人形浄瑠璃」を初めて見た面白さと、この近距離で舞台演劇を見たことの面白さの両方を感じることができたな、と思う。終盤の大事な演出も、映像ならば成功したものを流せばいいが、舞台では一発勝負である。だがそれ故に目の前で見事に決まったときに感情もより大きく動かされる……ような気がする。

この公演では、終演後に「バックステージツアー」というものがあった。ステージの裏側を観客自ら見て回ることができるというものだ。写真撮影やSNS投稿も可ということで、かなり太っ腹である。人形も間近で見ることができる。改めて見ても糸の数が多すぎて、自分は制御できる気はしないな……

舞台袖や舞台の奥から観客席を覗いたりもできた。これも舞台を作る側でないとなかなかできない貴重な経験だ。

その他並んでいる小道具の数々を見たりして、一つの舞台を作り上げるのにたくさんの準備がいるのだな~と思った。「人形浄瑠璃」と言われると若干のハードルを感じる人もいるかもしれないが、現代に作られただけあって現代の人でもかなり入りやすい内容になっていると感じた。興味あればぜひ(8/25 までです)。

余談だが、「新羅生門」はサンリオピューロランドの『KAWAII KABUKI ~ハローキティ一座の桃太郎~』の原案にもなっているらしい(そんなことあるんだ)。それを知ってピューロランドに行ってみたくなってきた……