Start Sign
Extreme Heartsの新アルバム、Start Signが発売した。一年近く前にあったイベントで、なんとか新曲を出しますという口約束があったのだが、正式発表された時には全然実感が湧かず、物理CDが届いてやっと実感が湧いてきたような感じだ。新曲3曲の内の2曲は先行配信されていて、CD限定はボイスドラマとノノ新曲だけだったので、まあまあと余裕の構えでいたのだが、実際聴くと割と打ちのめされてしまった。
Extreme Heartsといえば、本編放送中にサイドストーリーS×S×Sや、RISE Blogが並行して更新されることで、本編映像だけに留まらない多層的な体験を提供することも魅力の一つだった作品。BDの特典や前回のアルバムでもボイスドラマは収録されていたが、今回は更にボイスドラマに力を入れていたように感じる。
大きな要素の一つは新キャラクターの登場だ。アニメ本編が終了し続編の制作もすぐには見込めない状況だと、既存の要素だけでまとめるのが(コスト的な判断でも)ありそうである。が、ここでExtreme Heartsは、敢えて新キャラクター(それも言及されていなかっただけで元々関わりがあったとされる人物)を登場させることで世界を広げてきたのだ。新たなキャラクターとの関わりを通じてまだまだキャラクター達の知らなかった一面を知ることができる、そんな新しさを感じさせるための良い判断だったと思う。曲名、アルバム名に「Start」が入っているのも象徴的で、単なる延長戦上ではなくここが新たなる始まりであり、いつだって何度だってStartしていいというExtreme Heartsの精神を描いているようにも感じられる(いま ここから 夢を描こう)。
また、アルバムの収録順にも注目したい。新曲3曲とも曲の前にボイスドラマが配置されていて、収録順通り流していると、配信番組等で視聴者に向かって「こういう思いを込めた曲です。聴いてください!」というメッセージの直後に楽曲が再生されるようになっている。試聴や先行配信で既に曲を聴いていたとしても、こういった前振りがあるだけで聴こえ方が変わってくる。この辺は流石Extreme Heartsだな~と思った。ここまで敢えてボイスドラマの内容にはそれほど踏み込まなかったが、めちゃめちゃ良かった。特にRISEの方の、中学生組のわちゃわちゃ感。アニメにこんな感じの回があったように錯覚する。ノノ曲もとても良かった。