今期放送中のTVアニメ『ゴーストコンサート : missing Songs』の小説、『GHOST CONCERT 東京灰燼』を読んだ!
TVアニメ本編では描かれないオリジナルエピソードということで、劇場版ゴーストコンサートといった雰囲気だった(規模感的にはTVスペシャルくらいかもしれない)。時系列としては既にナイチンゲールが仲間に加わっていて、まだ芹亜さんは茨城支部にいるので5話と6話の間だろう。
早速冒頭を読んでみたところ、序盤から急展開で勢いがすごすぎた。この辺、冒頭試し読みでも読める範囲です。
「あの……えっと……相葉さんは今、その、発情期を迎えています」
この瞬間、芹亜の人生における出来事のワーストが更新された。
オリジナルエピソードということで、今作オリジナルのグレートゴーストも登場。あらすじでも書かれているので触れてしまうが、主に登場するのは滝夜叉姫、そして藤原純友だ。この2人には平将門を経由した間接的な関係性があって、そこの史実や創作の要素の拾い方が面白いな~と思ったりした。例えば作中で「如月」や「大宅」という名の人物が出てくるのだが、如月は滝夜叉姫が化けた名として知られ、大宅もそこに対峙した大宅中将光圀から名を取っていそう、とか(まあ後で調べて知ったのだけど)。
小説なので地の文で心情を記述できる強みがあり、またTVアニメ1話と比べると尺も長めに取れるので、グレートゴーストの心情変化はかなり丁寧に描写されていく。TVアニメ本編ではゴーストの心情や芹亜さんからの働きかけ含めて憑依鎮魂歌に濃縮しているので、味わいとしては大きく違う。とはいえ、このエピソードで歌われる憑依鎮魂歌も実際に聴きたい気持ちもあるなぁ。
グレートゴースト2人の内でも、特に重きが置かれているのは藤原純友の方の視点だ。一歩引いた父親のような目線で芹亜さんや滝夜叉姫を見ていて、退場の仕方まで含めて気持ちのいい敵役だったと思う。本編でも雪庭と芹亜さんが親子くらい年が離れていたり、MiucSが雪庭の子供的な存在だったりするので、こういう世代差というのは1つ作品の中心にある部分……かもしれない(偉人って基本的に先人なわけだし)。
芹亜さん以外の茨城支部の面々も登場はするが、本編同様活躍はそれぞれ少しずつという感じ。首都を巻き込んだ大事件なのでMiucSも介入してくるのだが、いい感じに蚊帳の外となるのも劇場版っぽさがある。序盤に猫っぽくされたり、全てが解決してから真っ先に抱き合ったりと、クレオの萌えキャラ化が進んでいるのも嬉しい。作中結構真面目な雰囲気でも「甘ロリ」って単語が連呼されるのはちょっと面白い。
本編と関わる要素の仄めかしもあり、今後の展開も楽しみになる、いいノベライズでした。