2026/07/01 黒牢城

たーんえー
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公開:2026/7/2

今日は上映中の映画『黒牢城』を見てきた。

『古典部シリーズ』『小市民シリーズ』などで知られる米澤穂信氏が原作の歴史もの。監督は『CURE』などの黒沢清氏。

織田信長に反旗を翻す荒木村重の居城・有岡城で黒田官兵衛が幽閉される、有名な史実エピソードがベース。原作者らしくミステリ要素があって、牢から出られない黒田官兵衛が事件の内容を知っただけでその謎を解き明かしてしまう、いわゆる安楽椅子探偵ものだ。まあ囚われているので椅子すら用意されていないのだが……とにかくこの根本の発想はすごくいい。

自分は氷菓や小市民からこの著者には「日常の謎」のイメージがある。本作も同様で、籠城中の有岡城で起こったやや小規模な事件を解決していく形になっている。荒木村重自らが家臣と共に調査したりしていて、籠城中にしてはちょっと悠長すぎる気もするが、まあそれはそれ。特に「戦で勝ち取った首の中に敵の大将がいたようだがそれは誰なのか」が謎として扱われたりするのは、戦国時代ならではで面白い題材だと思った。

ただ、ミステリとしてしっかり見応えがあるかというと、正直そうでもないな……と思ってしまった。なんというか、トリックがあまりにシンプルかつ描写もあっさりで、そこの爽快感に重きを置いてない描き方という感じ。せっかく冬/春/夏/秋と4つの事件があるので、全4~5話程度のドラマ形式で各話しっかりオチを付けた方が万人受けはしそうだな、と思った。

時代劇として捉えると、合戦のような派手なシーンはかなり少なく、静かなシーンが多くを占める。特に、荒木村重の心情はじっくりと描かれているのを感じた。今作が「村重がなぜ謀反を起こし、どう史実の結末に至ったのか」の謎(の一つの解釈)を描く作品でもあるからだろう。ただ、この淡々とした描き方で2時間半の尺は個人的にはちょっと長く感じてしまった。有り体に言うと、自分はこの映画にもうちょっとわかりやすいエンタメを求めていたのだろうなぁ。