今日は公開中の映画『アメリと雨の物語』(吹替版)を観てきた!すごい作品だったね……
舞台は1960年代の日本。ベルギー人の外交官のもとに生まれた2歳の少女、アメリの物語。
本作は、まず映像面がとにかく素晴らしかった。シンプルな絵柄と多彩な配色で、絵本の世界が動いているような感覚。幼い少女アメリから見た世界ということで、あえてそういう色彩豊かな映像になっているのだろう。季節ごとに変わっていく日本の景色やイベントの描き方は見事で、ワクワクさせられる。戦後の日本らしさも細かいところまで表現されていて、意外とこの辺りの時代が現代クオリティで描かれている作品は少ないかもしれない。時折流れる日本の音楽でも、時代を感じることができた。
登場人物の関係性では、アメリとニシオさんが交流を深めていく描写が非常に良かった。ニシオさんは初登場時から静かで、同時期に登場した祖母の方が目立っていた印象だが、妖怪の描かれた本を通じて一気に打ち解けていく。特に唸らされたのが、ニシオさんが自身の戦時中の記憶を語る場面。これまで家政婦として個人的な話をしなかったニシオさんが、初めてアメリに自分のことを話していくのだが、ここで食事の準備をしながら語りを進めるのがすごくいい。直接描写はなくとも料理の一つ一つの所作(刻んだり、鍋に具を入れたり、魚の首を落としたり)が戦時中の体験と重なって見える、見事な表現だった。
幼い頃特有の全能感と共に世界を見ていたアメリが、ニシオさんや家族と過ごすことで多くの経験をし、多くのことを知っていく。その中には2歳3歳の子にはあまりにも過酷な経験も含まれていてなかなか辛いのだが、そういう辛さがあったからこそのラストだなぁと思う。
見に行った当日は雨が降っていて、別の日にすれば良かったかも……と思っていたが、(タイトルにもあるように)「雨」が絡んだ物語だったので、むしろこの日で良かった。降ってきた雨粒が地面を小さなアメリに見える表現なんかも面白かったな。いい映画でした。