エーリッヒ・フロム『愛するということ』

ure
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公開:2026/4/24

人を愛する技術について書かれた本。「人格を磨くことで得られる真実の愛」という物語はだいぶマッチョな感じがある。

でもこういうの読まないと、人とどう関わったらいいかわからない……

簡単なまとめ

孤独を誰かで埋めようとすると、気づかないうちに自分を失う。愛は感情ではなく技術であり、自分を持ったまま他者に向かうことでしか育たない。

分離(Separateness)

フロムは、人間の本質を掘り下げると、最後には共通の核が現れると考えた。

人間は、自分が自然や他者から切り離された孤独な存在だと気づいたとき、強い不安を感じる。そしてその不安から生まれる、他者とつながりたいという欲求を、人間の「もっとも強い欲望」とみた。

人間はこの不安を解消するために、興奮を求めたり、集団に溶け込んだり、ものを作ることに没頭したりと、さまざまな方法を試みてきた。しかしどれも、孤独をやわらげるだけにとどまる。フロムによれば、答えになるのは愛だけだった。

ただしその愛は、「私は私であり、あなたはあなたである」というかたちをとる必要がある。ひとりでもいられる者同士でなければ、相手を支配せず、また依存もしない関係を築くことはできない。

共棲的結合(Symbiotic union)

多くの人は、自分の内面にある空虚さや孤独から逃れるために、自分を受け入れてくれる誰かという避難所を求める。これは自分自身からの逃避であり、フロムはその状態で行われるつながりを「倍になった利己主義」と表現する。

こうした関係では、ふたりの世界に閉じこもり、それ以外の人間への関心は失われていく。特定の相手だけを愛し、他の人に無関心であるなら、それは愛ではなく「共棲的結合」と呼ばれるものになる。

人間はもともと、外の世界に向けて自分の能力を存分に発揮することで充実する。しかし共棲的な関係に依存すると、そのエネルギーはすべて相手との関係を保つことに使われてしまう。やがて、自分を広げるための力が、相手との関係の中に消えていく。

愛する技術(The art of loving)

フロムは愛を、感情ではなく技術だと考えた。その技術を支えるものとして、配慮・責任・尊重・知性の4つを挙げている。

さらに、これを実践するためには、ピアノの練習と同じように、忍耐・集中力・規律を身につける必要があるという。

フロムはこれらを丁寧に説明しているが、知っているだけでは意味がないとも言っている。


この話は、ケアとセラピーで言えばセラピーの話しかしてなくて、いろいろ欠けているところがある。

とはいえ、社会の中で生きている以上、他者とどう関わるかという問題は一生続くので、引き続きやっていくしかない。

@ure
どうぞごゆっくり