ボロボロ泣いた
音をたてないよう、口呼吸でのりきる
今年は坂本龍一さんの一周忌だ
きっとこれから、彼の残した作品を取り入れる機会は少なくなっていく
だから今のうちに、彼が残した遺伝子みたいなものを追いかけている
坂本龍一さんの自伝『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』の中で、この映画が作られた理由が語られている
2020年に配信されたピアノ・ソロコンサートは、余命宣告を受けた翌日に行われ、心身ともに最悪のコンディションだった
それが最後になってしまうのはあまりにも悔しいということで、まだ辛うじて満足のいくレベルでピアノが弾けるうちに、未来に遺すのにふさわしい演奏姿を収めておけたら、と考えたそうだ
やはり相当なエネルギーを消費したからか、撮影を終えてから1ヶ月ほどは気虚というのか、ずっと体調が落ち込んでしまっていました。それでも、死ぬ前に納得いく演奏を記録することができてホッとしています。
—『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』坂本龍一著
死にそうなのに死んだあとのことを考えて行動している
どうしたらこんな生き方ができるんだろう
映画の構成と音響もよかった。演奏を止めてしまうシーンもあって、そういえば人間が弾いてるんだった、と思い出せた。
ピアノの音だけでなく、息遣いや指や足がピアノに触れる音も聞こえるようにミックスしているという
この音まわりを担当されているZAKさんという方が、毎回とてもよいお仕事をされているように思うんだけど、追うにはどうしたらいいんだろう
15曲目の「20180219(w/prepared piano)」という曲は、ピアノの弦にクリップをはさんで演奏していた
ピアノの音が聞いたことのない音になっていておもしろかった
もう一度聴きたいと思ったけど、音源はないみたいだ
サントラ出してほしい