ゴールデンウィーク

漆野凪
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連休中にあったこと

同居人の家族との顔合わせ

 緊張した。でも全員何回か顔を合わせていたので和やかに終えられて良かった。いいお寿司屋さんで顔合わせをしたので、うにとまぐろがとんでもなくおいしかった。あとたまごも。

釣り

 海釣りに行ってきた。あまり釣れなかったけれど、潮風を浴びてぴかぴかの魚を見れた。うれしい。あじのオパールみたいな遊色がきれい。大きいあじとうぐいは内臓を抜いて塩焼きに、小さいあじとひいらぎといわしは、あじは内臓を抜いて、ひいらぎは頭ごと内臓を落としてとげのある背鰭と胸鰭を切り落として、いわしはまるごと唐揚げにした。あじを揚げすぎてカリカリになってしまったけど、他の魚はどれもおいしかった。うぐいは川魚の味がして両手で持って身に齧り付くとなんともおいしいし、あじもふっくらしているし、いわしとひいらぎは骨が気にならなず身の旨みも感じられる程度に揚げられた。また行きたいな。

籍を入れる

 同居人と籍を入れた。市役所前に歩く猫がいて、「猫ちゃん!」と叫んでいたら近くに人がいた。少し気恥ずかしかった。マンホールカード受取もできたのでついでにもらって行くことに。写真を撮ってもらうこともできたらしいけれど、少し混み合っていたので市役所の外で自撮りをした。実感がなくて面白かった。

 なにやらお祝いっぽいので、2年前に一緒に行った洋食屋さんでとびきりおいしいオムライス(真ん中に切れ目を入れて開くタイプのやつ!)を食べて、図書館と文具屋さんに行って、喫茶店でお茶をした。オムライスはやっぱり感動してしまうくらいおいしくて、もしかしたら毎年結婚記念日にオムライスを食べにくるのかな、それはそれでうれしいな、と考えたりした。メニューにはパスタやハンバーグもあって、気になるけれど毎回オムライスを頼んでしまう気もする。

 図書館では、今回は生物学系の本を多めに借りた。重めの文学の間に読むと、焼肉の間のカクテキみたいでさわやかでうれしいのだ。一穂ミチ『光のとこにいてね』はすさまじい百合らしいので特に楽しみ。

 文具屋さんでは日々のメモや本の記録を書くリングノートを買った。B6サイズのリングノートだと机からはみ出ず、小さすぎずちょうど良いらしい。

 喫茶店は最近気に入っている純喫茶っぽいところ。わたしはミルクセーキを頼んだ。まろやかでかつさっぱりしてて、この日に欲しい味だった。喫煙も可能な喫茶店だからか周りは年配のお客さんばかりで、どの席でも競馬の話をしていた。図書館で借りた『ポルトガル短編小説傑作集』をすこしだけ読んだ。

本と映画

 本は田中康平『恐竜学者は止まらない!』とアンソロジー『黒猫を飼い始めた』を、映画『NOPE/ノープ』と『ヴァチカンのエクソシスト』を観たり読んだりした。

 田中康平『恐竜学者は止まらない!』は、卵化石研究者が卵の気孔から巣の形を考察したり、そこから抱卵したのかどうか、まわりの土壌成分からどのような場所に営巣したのかを明らかにしていくという内容。学術書というよりはかなりエンタメ寄りで面白かった。化石名とは別に、卵化石にも「卵科・卵属・卵種」があるというのも興味深かった。あとごはんの描写がおいしそうでうれしかった。

「ワカモレというアボカドのペーストは絶品だし、アーティーチョークの酢漬けはビールのお供として最高である。ゆで卵のピクルスは爽やかな酸味が疲れを吹き飛ばしてくれる。」

 アンソロジー『黒猫を飼い始めた』は、10ページほどの短編が26篇収録されている。いろんな人の短編ミステリが読めて楽しかった。個人的に好きなのは紙城境介「灰中さんは黙っていてくれる」、斜線堂有紀「Buried with my CAAAAAT.」、一穂ミチ「レモンの目」、青崎有吾「飽くまで」、小野寺史宜「猫飼人」。河村拓哉「冷たい牢獄より」も「これ絶対書いてて楽しかったろうな〜」というのが伝わってきて良かった。逆に苦手だったのは宮西真冬「メールが届いた時私は」、原田ひ香「ササミ」、朱野帰子「会社に行きたくない田中さん」。『ほろよい読書』でも思ったけれど、原田ひ香さんは食べ物をまずそうに描くのが上手で、そこがわたしには合わないなと思っている。食べ物にはおいしくあってほしい。

 『NOPE/ノープ』は未確認生命体に襲われ、その映像を撮ろうとする牧場主兄妹の話。SFホラーとあるけれど、宇宙人ものなのでそこまで怖くはない。奇妙な映画を観たな……!という感覚と面白い映画を見たときの充足感が同時に来て良い。面白かったので同じ監督の『ゲット・アウト』や『アス』も観てみたい。『アス』は今月プライムに追加されるらしい。

 『ヴァチカンのエクソシスト』はスクーターに乗った強靭なおじいちゃん神父が悪魔祓いをする映画。これもアクションホラーとのことだけれど、悪魔ものの怖さがわからないのでアクション映画の趣が強い。おじいちゃん神父がドアを蹴破るシーンが多くて爽快で嬉しい。開始5分から面白いし、終わり際の畳みかけ祓魔シーンも勢いがあって良い。どことなくアクションの多い悪魔祓いものというので『コンスタンティン』を彷彿とさせる。面白かったな……。

散歩

 家の周辺を7キロほど歩いた。写真はユリノキ、ゼニバアオイ、クレソン、松田ペットの看板みたいな犬の遊具。クレソン、降りれない位置に群生していたけれど、降りれる位置だったら採取して食べたかった。残念。

@urushino_nagi
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