金木犀の匂い、茗荷の味噌汁

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公開:2024/9/30

 9時に目が覚める。よく寝たのに眠い。プロテインを飲んで、三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読み終える。

 労働と趣味が両立できないのはなぜ?という疑問を、長時間労働が原因なのは前提としつつ、読書の役割の変遷から紐解いていく本。

 資本主義により自助努力・自己責任の考え方が広まっていて、そこに「仕事で自己実現しよう!」という風潮が重なると「好きな仕事を頑張れることは良いこと」「好きな仕事なのに頑張れていないのは悪いこと」という価値観が生まれる。そうすると、努力を称揚しすぎて他の文脈を取り入れる暇もないほど疲弊するかもしれない。その疲弊した状態は鬱病の一歩手前だから、何事にもほどほどに取り組むのが健康だしそういう社会にしたいよね、という内容だった。面白かった。


 映画『キューティ・ブロンド』を観る。最初は恋愛至上主義的な価値観で始まるから時代にそぐわないな〜と思うのだけれど、だんだん主人公が法学を学んで恋愛以外の素晴らしいことを手に入れていく様子が良かった。法廷の証拠など粗雑なところはありつつも、勢いがあって元気をもらえる。最初は苦手だった主人公がだんだん好きになっていくのが不思議な感覚だった。個人的に女同士の連帯が大好きだから、ヴィヴィアンとの関係をもう少し見てみたかったかも。


 映画『しあわせの雨傘』を観る。社長夫人が入院した夫に代わり雨傘工場を立て直す話、とあったのだけれど、実際は雨傘工場を立て直すどころではなかった。この作品では抑圧されている女性が解放される様子が描かれていて、その過程での女同士の連帯もかなり描かれていてうれしかった。


 エアロバイクを漕ぎに実家に寄った。金木犀の匂いが充満していた。この時期は気候も空気も好ましく感じる。

 晩ごはんをつくる。今日は鶏むね肉のごま甘酢あんと、ピーマンときのこのバター醤油炒め、卵焼き、茗荷と油揚げの味噌汁。おいしかった。この時期の茗荷の味噌汁はかなりうれしい。

@urushino_nagi
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