生活と納豆オムレツ

漆野凪
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 朝、7時半に起きた。昨日は12時間眠ったからか、眠りが浅かった気がする。最近は寒いからかなかなか布団から出ることができない。8時過ぎまで横になったまま過ごして、そこからゆっくりと起き上がった。低血圧なども関係しているのだろうか。この間病院で測定してもらった血圧が90/70くらいで、高い数値が100を切っていると少し低い、と言われたことを思い出す。

 水を飲んでカーテンを開ける。天気は相変わらず悪く雪がちらついていた。風の音も大きく、時折窓ガラスに何かがぶつかる音がする。散歩には到底行けそうにない。

 昨日の夜はお風呂に入り損ねてしまったので、起きてからシャワーを浴びた。わたしはお風呂に入るのがとてつもなく苦手だ。頭に水がかかるのと、密室で音が響く空間なのと、薄暗い上に目を閉じる必要があることが嫌だ。でもお風呂に入らないと肌は荒れるし、頭を振ったときに自分の匂いが気になる。自分の尻尾を追いかけ続ける猫のようになる。お風呂に入ると決めたのに浴びるまでもうだうだとしていて、石油ストーブの前で丸くなってスマホをいじっていた。ストーブの前にいると目が乾く。

 ふと、どうして風呂に入るのかを考えたときに「匂いや肌荒れが気になるからお風呂に入りたい」になるな、と思った。自分がお風呂に入りたいならさっさと入ってしまったほうが気が楽なのでは?と思い、その後はすんなり入ることができた。行動原理を考えて欲求に対して動くこと(行動できる余力が残っているときだけ使えるものだけれど)いいライフハックなのかも。

 シャワーを浴び終えたのち、タオル類を洗濯機に入れて回し、洗濯物を取り込んで、爪を切って、流しを片付けた。朝ごはんに食パンをトーストにして、紅茶味の豆乳と一緒に食べた。マルサンの、カロリー50%オフで紅茶味の豆乳は、温めると甘すぎるし人工甘味料の味がするし匂いも気になるので好みじゃなかったのだが、冷えた状態で飲んだらまあまあおいしかった。氷で薄めてもいいかもしれない。ご飯を食べ終えたくらいで洗濯終了の音がしたので、洗濯物を干し、取り込んだ洗濯物を畳んだ。沢山行動できているとうれしい。

 甘みのついていないカフェオレが飲みたくなったので、お湯を沸かしてコーヒーを淹れた。マグカップにコーヒーを半分、牛乳も半分ほど注いで電子レンジにかける。その間に手持ち無沙汰で30回スクワットをする。お尻の筋肉が衰えたのか座っているときに骨が当たり痛くなってきたので、思い出したときにスクワットをするようにしている。これだけでなんとなく健康になった気分だ。

 カフェオレを飲みながら読みかけの本を読み進める。作業用のBGMが欲しくてカフェのBGMなどを再生してはしっくりきていなかったのだが、テレビのNHK BSあたりを低めの音量で流すのが最適解かもしれない。でもニュースになってしまうと聞き取りやすさが仇になってしまい、微妙に音声が脳内で文字化され気が散る。

 お腹が減ったのでお昼ごはんを作る。お湯を沸かして即席味噌汁を溶かし、数日前から無性に食べたかった納豆オムレツを作る。冷蔵庫に残っていたよだれ鶏と菜の花の煮浸しとミニトマトも出す。豪勢な昼ごはんになった。ちなみに納豆オムレツは失敗した。

「作りたい女と食べたい女」一期のドラマを観ながらごはんを頬張る。このドラマはCMもなく、しずかで、1話が15分で内容も美味しそうなのでご飯どきにちょうどいい。納豆オムレツは白だしを入れた卵の中に混ぜた納豆を入れただけなのにこんなにおいしいのか……と感動した。欲求が満たされて良かった。

@urushino_nagi
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