うま味は甘い

漆野凪
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 9時半に目が覚める。昨夜夜更かししてしまったので眠いけれど、比較的体調は良く感じる。窓を開けると陽はあたたかいのに風は涼しくて、あきらかな秋の気配がした。朝ごはん代わりにミロを飲む。


 今日は本が読めそうな気がしたので『世界の発酵食をフィールドワークする』を読み進める。

 カンボジア周縁地域の魚を用いた発酵食品パデークとプロホックについての箇所を読んだ。魚を竪瓶に入れて、塩と米糠を加えながら魚の身が割けるまで搗いて熟成させるので柔らかく水分を含んでいる「パデーク」と、魚の身を搗かず日干しののち塩を加えて熟成させるため、塩気が強く硬い「プロホック」という食べものについて語られていた。ただしプロホックであっても日干しをしなかったり、魚を搗いたりする場合があるらしい。

 「一番美味しいプロホックは田んぼの魚で作ったもの」と話す女性の写真が掲載されていた。川や湖や田んぼの魚でそこまで味が異なるのだろうかと、ふと疑問に思う。それとも、実際に味の差異があるのだろうか。食べ慣れているからこそわかる癖みたいなものなのだろうか。その土地の味が気になって想像する瞬間は、妙に楽しい。

 タイの調味料文化について記述されている箇所も読んだ。最近のタイ料理が甘くなったとされ、かつタイの年長者を対象に行った調査でうま味調味料が「甘い」と捉える人が多かった話からうま味調味料が普及について言及されていた。ナンプラーが普及したのも割と最近らしい。

 また、魚に塩と米糠や煎った米粉を加えて発酵させたプラーラーや、大豆を発酵させた豆醬トゥアナオという調味料についても記述されていた。

 「プラーラーは、東北地方の料理のソムタム(若いパパイヤのサラダ)の味付けには欠かせない」との文章から、映画『青いパパイヤの香り』を思い出す。主人公が奉公先で、青いパパイヤの実の表面をトントンと包丁で叩いたのちに削いで千切りにする、印象的なシーンがある。刻まれたパパイヤは作中では主菜の付け合わせや炒め物に使われていた気がする。あれは確かベトナムの映画だったと思うのだけれど、もしかしたら調理の過程で似たような調味料が使われていたのだろうか。

 ぱらぱらと先のページを眺めていたところ、次の章もパデークについてらしい。

 お昼ごはんに、昨日握ったおにぎりを食べる。具は油揚げの甘辛卵とじ。おいしいけれど、すぐ卵が脱走しようとする。


 久しぶりに短歌作成アプリを開いた。いつのまにかお題が表示されるようになっていた。今回のお題は「花束」だったので、そこから歌を作ってみることにした。

永遠に最も遠い花たちに祈りのかわりをさせる、花束


 ハロプロのライブが公開されているので、興味本位で見てみることに。ハロプロに関しては全く知識がなく、柚木麻子が推していることと児玉雨子が作詞提供していることくらいしか知らないけれど、それでも迫力があった。

 26分ごろから始まるアンジュルムさんの「美々たる一撃」がかっこよすぎてどきどきした。かっこいい赤い衣装を着た女達がバチバチのステージを行っているとうれしくなってしまう。歌詞の「もらった優しさ覚えてる 誰彼構わず返してく」というのも、からっとした明るさすぎて好き。

 他にはJuice=Juiceさんの「トウキョウ・ブラー」、つばきファクトリーさんの「ベイビースパイダー」、BEYOOOOONDSさんの「灰 to ダイヤモンド」あたりが好きだった。


 気がついたら眠っていて、起きたら18時になるところだった。15時くらいまでは記憶があるけれど、それ以降はないので2、3時間眠っていたのだろうか。夏みかんの缶詰の賞味期限が切れてしまっているので、もし開けて問題なさそうであればしろくまアイスにトッピングしてもりもりにして食べたい。想像したらかなりうれしいかもしれない。

@urushino_nagi
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