7時45分に起きた。今日も眠りが浅い。エビリファイという薬を飲みはじめてからずっとうまく眠れない気がする。ごみをまとめて洗濯機をまわして昨日の洗い物を済ませ、タオルを取り込む。タオルを取り込むのって「収穫」という言葉がぴったりな気がする。ピンチハンガーから次々タオルをもいでいくのは結構楽しい。
散歩がてら実家に向かい、庭で朝ごはんを食べた。母がおにぎりを握ってくれていた。かつお味のおにぎりとオニオンスープ、大根ときゅうりの梅味の漬物を食べる。庭の白木蓮はここ数日で一気に開いていて、ジャスミンみたいな香りがあたりに漂っている。杏も小さいピンクの花をたくさんつけていて、ただ盛りは過ぎたようで花びらが風で飛ばされていた。
自宅に戻って洗濯物を干して掃除機をかけ、昨日図書館で借りてきた岡本雄矢『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』を読む。小さな不幸を短歌にして誰かを笑わせられたら、という内容の本らしい。本文には短歌とその状況についての短いエッセイが載っている。文字が大きめなこともあり割とすぐ読み終えた。
題材にされている不幸が、偶然のものもあるけれど誰かに自分のことを軽んじられて起こったものや、女性をトロフィーとして見ているゆえに起こっていると感じさせるものなどがあって、あまり肌に合わなかった。不幸で笑いをとるというのが自虐的な要素を含むことも、合わなかった原因の一つかもしれない。
本の題名にもなっている「全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割」について、注釈のようなエッセイに「皆で席を立つから鞄が心配で1人残ってしまって、でも恩着せがましくなりたくないから誰かに鞄見てたとかをいうわけでもないけど、サラダバーって皆でワイワイとるから楽しいんだろうな」という感じの文章が書いてある。サラダバーなんて半々で取りに行けばいいし、そもそも変な自意識を働かせず最初の時点で「俺鞄見てるから先に行って」とでも言えばいいのに、と個人的には思ってしまう。そういう芸人であるから面白くない行動ができないというたぐいの、外からの視線や年功序列のようなものへの目配せのような自意識があって、この目配せが苦手で普段お笑いを見ないんだよな、とも思った。
肌には合わなかったけれど、一番最後に「作品に昇華したって傷ついた部分が消えているわけじゃない」という歌があって安心した。
どうしようもなくたまごサンドが食べたくなったので、冷蔵庫にあった茹でてある卵をフォークで潰して、マヨネーズと酢と黒胡椒とパセリと味塩で和えて、薄く切って水にさらした玉ねぎと一緒にパンに挟んだ。パンが思ったよりも小さく「これならオープンサンドにしたほうが良かったかも……」と後悔した。時すでに遅し。かなり自分好みの味にできたので満足した。あと簡単だったのでまた作りたい。
おやつに頂き物のシュトーレンも食べた。歯にしみるくらい甘くて、きっとコーヒーが合うだろうな、という味がする。本を読んでいるときにはちょうどいいかも。
一穂ミチの短編集『うたかたモザイク』も少し読み進めた。内容がかなり面白い構成になっていて、13の短編がそれぞれ「sweet」「spicy」「bitter」「salty」「tasty」に区分けされている。今日は「sweet」にあたる「人魚」「Melting Point」「Droppin' Drops」を読んだ。「人魚」は結婚を申し込んだ相手が人魚を自称する話、「Melting Point」はチョコレートアレルギーの女性とショコラティエの男性の逢瀬の話、「Droppin' Drops」は読者モデルをしている主人公が同級生の地下アイドルの子の熱烈なファンになってしまい、卒業式の日にむりやりカラオケに連れ込む話。一番最初の「人魚」も面白かったのだけれど、「Droppin' Drops」があまりにも好きなタイプの百合で、興奮して読書どころではなくなってしまった。うれしい。『ピュア百合アンソロジー ひらり、』という百合アンソロに寄稿されたものらしく、変に納得してしまった。「ホンサイホンベー」でも同じように何も手につかなくなってしまったので、一穂ミチさんの書く百合が大好きなのかもしれない。『光のとこにいてね』もすごいとの噂なので、読むのが楽しみだ。
今日読んだ部分だけでも面白かったけれど、次の短編から味の区分けが変わる。どのくらい印象がかわるのかな、と今からわくわくしている。
午後は気圧の関係か、ずっと首のあたりが重くて怠さとほてりがあった。だましだましで本を読んだり行動をしていたけれど、夕方になったらいよいよ熱っぽい気がしてきた。体温を測ると36.9℃で、いつもよりは高いかな?程度だったけれど、念のため横になっている。明日もほどほどに行動して生き延びたい。