ほたるいかの春

漆野凪
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 ここ数日、春の気温でうれしい。まだ2月だというのに!うれしさのあまりしょっちゅうお散歩をしたり、公園でお茶を飲んで本を読んだりしている。よく行く公園に梅が植えてあり、もうすこしで咲きそう!というくらい蕾が綻んでいた。散歩で通りがかった家の庭には蝋梅が咲いていた。道路に落ちた花を拾って、香りを嗅ぎながら散歩を続けた。

 母とスーパーに行ったところホタルイカが売られていた。ホタルイカが海鮮コーナーに並ぶと春を感じる。ホタルイカの陳列にあまりに喜んでいたため、母がかごに入れてくれた。いかのことは大して好きではないのだが、ホタルイカのことは妙に好きなのだ。おそらくイカの身だけではなく内臓の味がするところと、あんなに小さいのにいかの形をしていて可愛らしいところと、身が薄く噛み切りやすいところが好きなのだと思う。

 ホタルイカには付属の酢味噌をかけて、塩昆布とごまのおにぎりと即席味噌汁とわさび菜を添えた。ホタルイカは当たり前のようにおいしくて、口に入れるたび幸せになった。わさび菜も春の訪れを感じて好きな食べ物なのだけれど、絶妙な辛さがホタルイカを食べた口の中をリセットしてくれて、すごくいい食べ合わせだった。この時期のうちにまた食べたい。

@urushino_nagi
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