いつもより早く起きた。7時過ぎだった。外は明るいが風の音がうるさかった。8時頃まで眠ろうかと思ったが、目が覚めてしまったのでそのまま布団から出た。水を飲んで、昨日のうちに洗濯機に入れておいたタオルを洗う。
パジャマから部屋着に着替えてごみをまとめ、ゴミ捨て場まで持っていく。その流れで少しでも陽の光を浴びようと近所を歩く。空は晴れているのか曇っているのかわからない色をしていて、細かい雪が吹きつけてくる。凍えそうなので5分もせずに帰宅した。
洗濯が終わるまで残り20分ほどだったので、乾いた食器を片付け、洗い物をして掃除機をかけた。自分が朝からここまで活動的に動けるとは、と少し感動するが、朝以外だったら絶対にやらないだろうな……とも思う。乾いた洗濯物も取り込んで畳んでいると、ちょうど洗濯終了の電子音が聞こえた。洗われたタオルを干し、扇風機を回す。
朝ごはんとして、たい焼きの尻尾部分をトースターで焼いて食べる。甘い。なんとなく力になりそうな味がする。本を読みながら飲もうと取っておいた、ローソンの大きいカフェラテも冷蔵庫から取り出す。甘い。
食べ終えたら、図書館で借りてあまりの分厚さに手をつけていなかった奥田英朗『ナオミとカナコ』を読む。ナオミは大学時代から親友であるカナコが夫から生命に関わるようなDVを受けていることを知り、暗殺計画を企て死体を埋める話だ。なぜあらすじを知っているかというと高校時代にドラマが放送されていたからで、当時百合にはまりたてだった私はそのシスターフッドに目を焼かれてしまった。同じ時期に「美しき三つの嘘」という湊かなえの「ムーンストーン」、三浦しをんの「炎」、角田光代の「平凡」という短編を実写化したオムニバス形式のドラマがあり、こちらにも目を焼かれている。それにより「ムーンストーン」が掲載されている『サファイア』を手に取ったこともある。わたしは山田詠美の『放課後の音符』とともに、『サファイア』も百合だと信じている。
『ナオミとカナコ』は10ページほどで節が区切られていて、そこを目安にするとかなり読みやすかった。また、計画実行前までがナオミの章、計画実行後がカナコの章と分けられていて、ナオミの章では話の通じない客との対話やDVを受けている友人を助けられない無力感でストレスが溜まる。しかしカナコの章になり、不安材料という夫がいなくなった部屋で眠るカナコを見ていると、なんだか晴れやかな気持ちになる。文章を読んでいるだけで、実際には見ていないのだけれど。
面白かったかと言われると、なんとも答えにくい作品だった。とにかく物語を観る・読む側にかかる負荷が大きい。当分は犯罪によってこちらがヒヤヒヤとさせられる物語は読まなくていいな、と思わせられる。個人的にはドラマ版の方が好きだけれど、時間の経過により脳内で美化されているかもしれない。
負荷の大きい物語を読んだらどっと疲れてしまって、午後は横になって過ごした。気圧や寒暖差からか、頭痛もある。自分の体力のなさを常々実感する。明日は通院なので、まともに動けることを願っている。