今日は8時に目が覚めた。布団から起き上がるのが億劫で、9時前までそのまま横になっていた。ようやく起き上がると、着替えて各部屋のごみをまとめて捨てに行く。天気も良くて春らしく、もう少し気温が上がれば散歩にうってつけという感じだった。
なんとなく固形物を食べる気持ちになれず、お湯を沸かしてカフェオレを飲む。すごく中途半端に残してあるチョコレートドリンクがあったので、えいや、とカフェオレに入れた。なかなかおいしい。
図書館で沢山気になる本を借りていて、かつあまり読み終えていなかったので、今日は本を読むことにした。午前中で宮田珠己著『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』を読み終えた。都会の散歩において、どのような人工物や景色にときめきが隠れているかを探すという本。看板から文字が消えた「無言板」や暗渠、赤瀬川原平が提唱した用途のない人工物である「トマソン」など作者がピンときたものが写真・地図付きで紹介されている。
最初のうちはいいのだが、読み続けると語り口がすこし言い訳がましく、くどく感じるところがちらほらある。ただそれを差し置いても、この本を読んでおくと散歩がより楽しくなる気がする。公園の遊具についても写真が掲載されていて、体が空洞になっているカバの遊具(中に内蔵の絵が書いてある)や象の頭が二つ並んでいるようなすべり台など、見るだけで心が和むような写真が沢山ある。
また、作中で「オバケ坂は幽霊の意味ではなく崖を意味する「バッケ」がなまったもの」とあった。わたしの住んでいる地方では、ふきのとうのことを方言「ばっけ」とも言うらしく、もしかしたら語源がオバケ坂と同じく崖である「バッケ」から来ているのかな、と考えたりした。調べたところ「地面につぼみが出て花が咲くことから「お化け」が「ばっけ」になったという説がある」とのことだった。オバケ坂はお化けではないのに、「ばっけ」であるふきのとうはお化けなんだ、と不思議な気持ちになる。
散歩ブックガイドとして挙げられている本にも気になるものが多く、これだけでも読んで良かったと思える。特に気になるのは赤瀬川原平『超芸術トマソン』、三土たつお編著『街角図鑑 街と境界編』、村田あつこ『たのしい路上園芸観察』の三冊。三土たつお編著『街角図鑑』は以前Kindleで購入して少しずつ読み進めているところなのだけれど、この本の続編が『街角図鑑 街と境界編』らしい。
大城道則、芝田幸一郎、角道亮介著の『考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話』を読みはじめる。まだそんなに読み進めていないけれど、ファラオの呪いだとか伝染病のようなものはないのか、という問いに「地下を発掘した際にコウモリの糞の吸い過ぎで一か月熱が下がらずに寝込んだという考古学者の話や目から白い涙が流れるエジプトの風土病に罹ったという科学者の話は聞いたことがある」と返していてそんなこともあるんだ……と思った。今のところ、読みやすくて面白い。以前読んだ『世界の奇食の歴史』に期待していたような、他文化での食事の風景描写もあって、かなりうれしい。これから読み進めるのが楽しみ。
気温が高くなったら散歩に行こうと思っていたのだけど、風があまりに強いので断念した。もう4月で、これからもっと春めいてくるのだろうな、と思うとわくわくする。晴れた日にサンドイッチと紅茶を持ってピクニックもしたいし、植物園にも行きたいな、と思って日々を過ごしている。