今日も10時ころ目が覚める。最近朝起きれない日々が続いている。どうにかしたい。
昨夜は絵を描いていた。「自分にだけ本と映画のレビューをしてくるよくわからないお姉さん」というイメージで描いた。結構お気に入り。これでだいたい1時間45分くらい。
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綿矢りさ『ひらいて』を読んだ。入りの文章から心を掴まれてしまった。
彼の瞳。
凝縮された悲しみが、目の奥で結晶化されて、微笑むときでさえ宿っている。本人は気づいていない。光の散る笑み、静かに降る雨、庇の薄暗い影。
(綿矢りさ『ひらいて』p.3より)
帯にも「私はなぜすきな人の間男になったのだろう。」とある通り、ある同級生の男の子に恋をした主人公が執着するあまり、その男の子と付き合っている女の子と寝てしまう(二度も!)という、はちゃめちゃな小説である。綿矢りさは『蹴りたい背中』と『パッキパキ北京』くらいしか読んでいないのだけれど、性欲や愛情の持つ暴力性を毎回描いている気がする。
先ほど引用した冒頭の文章の他にも、主人公が鶴を折りながら「折る、と、祈る、という字は似ている」と考える場面や、好きな男の子に対して「彼を青黒く怒らせたい、とがった瞳に睨まれてみたい」と思う場面など、描写が絶妙だなと感じる。怒るときは赤くではなく、青黒く怒ると思われる男の子らしい。きっと静かで、でも許してくれない確固とした怒りなんだろうな。
本を読み終えたので掃除機をかけ、トイレと洗面台を掃除して、お皿を洗ってご飯を食べ、溜めていた牛乳パックを切って紙袋に入れた。お風呂場の排水口の掃除もしたかったのだけれど、体力が尽きたので一旦休憩を挟んで回復を待つことにした。
お昼は昨日のあまりものの麺を、これまたあまりものの麻婆茄子と混ぜた麻婆まぜそばだった。結構おいしかったのでまたやりたい。
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『kaze no tanbun 特別ではない一日』を読む。現代作家の短文アンソロジー集らしい。この本に収録されている勝山海百合「リモナイア」が、どうやら男性同士の恋人が出てくるらしいとのことで手に取った。実際に読んでみたところ、主人公の性別が記載されておらず「肉体描写的に多分男性かな?」程度に止まった。性別を描写しないことで余計な情報に気を取られず、物語がすっと入ってくるかもしれない。また、話の内容が「家でご飯を食べつついちゃついていたと思ったらいきなりバトルものが始まった」という感じで面白かった。あとわたしもパイナップルのピザが好き!パイナップルがのせられたハンバーグも!
山尾悠子「短文性についてI」と日和聡子「お迎え」についてはあまりぴんとこなかった。柴崎友香「日壇公園」は「牡丹園があり、藤棚があり、桃園があり、どこも満開だった。」という描写が出てきて、牡丹と藤は5月くらいだけど、桃は3月から4月にかけてだから時期が違うのでは?ということが気になってしまい、内容が入ってこなかった。中国が舞台の短編なので、もしかしたら中国には5月に咲く桃があるのかもしれない。もしくは桃園に咲いてるというだけで別の花なのかも。岸本佐知子の短編「年金生活」がかなり面白いSFで、今日読んだ中では1番好き。我妻俊樹「モーニング・モーニング・セット」は眠るときに見る夢みたいに脈絡がなくて、読んでいたら頭がへんになりそうで飛ばしてしまった。
夕方になると体というか頭がだるくなってきて、横になって体力の回復を図っている。大量のいんげんがあるので、元気があれば茹でたいな。