海のカタツムリ、陸の貝

漆野凪
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 8時半に起きた。朝なのに薄暗くて、起きてからもずっと寝ぼけているような気がした。外は雨だった。雨の日は本を読むのが捗る気がする。トーストにマーマレードを塗ったものと、昨日のあまりのキャベツとムール貝のスープを食べる。アオハタジャムのスプーンがいらないタイプのもの(春っぽいからという理由でマーマレードを選んだ)を買ったのだけど、便利なので使う頻度が上がっている。

 セレン・チャリントン=ホリンズ著、阿部将大訳『世界の奇食の歴史 人はなぜそれを食べずにはいられなかったのか』を読む。

 帯にはローマの美食家が愛したフラミンゴの舌だとか、イギリスでは子牛の脳みそ料理が人気だったなどとある。どんな面白い食材や未知の味が出てくるのかと期待して読んだのだが、奇食の文化についてというよりは、やむを得ず食べざるを得なかった経緯について書かれているものが多かった。作中には缶詰による食中毒事件だとか、腐った食物、牡蠣の食中毒など食べ物の安全面に関する話題も多くて、尚更奇食とはすこしはなれているような気もした。またタイトルは『世界の奇食の歴史』だけれど、世界の、と銘打っているわりには欧米、とくにイギリスとアメリカとフランスが話題のほとんどでもある。その点でもすこし残念だった。食べ物の描写が総じておいしくなさそうなのもかなしい。

 ただキリスト教の聖書の一部に「偶蹄類かつ反芻を行うものしか食べてはいけない」「水の中の生きものはひれとうろこがあるものしか食べてはいけない」という内容があることは知れて良かったし、アワビが「海のカタツムリ」と表現されているのも面白かった。わたしからするとカタツムリこそ「陸の貝」なわけだけれど、これもきっと文化の違いなのだろう。

 お昼ごはんには朝と同じくキャベツとムール貝のスープと、大きめの鮭のおにぎり、ヨーグルトを食べた。うっかりしておにぎりをいつもの倍くらいの大きさで握ってしまったのだけれど、おいしかったし食べごたえがあってよかった。春は活動的になるからおなかが空くのかもしれない。

 読書の休憩がてら干してあったタオルを畳んでしまったり、お皿を洗ったり、コーヒーゼリーを作ったりした。久しぶりにコーヒーゼリーを作ったからか、ゆるめの仕上がりだった。次はすこしかために仕上げたい。

 次は『路上のセンス・オブ・ワンダーと遥かなるそこらへんの旅』を読む予定なので、予習がてら諸星めぐるさんの超芸術トマソンについての解説動画を観た。わかりやすいし、こういう知識があると街歩きが楽しくなる気がする。

@urushino_nagi
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