通院と1人ピクニック

漆野凪
·

 8時半に目が覚める。今日は通院日で、でも病院に行くとなにかしら責められるような気がして気が重かった。お腹が減っていたので山椒昆布でおにぎりを作り、野菜ジュースと一緒に朝ごはんにした。


 病院に行きたくなさすぎて、11時からの予約に10分遅刻した。申し訳ないと思いつつも、院内は混み合っていて順番が当分先なことに安堵した。診察まで1時間ほど待ち時間があったので『人間をお休みしてヤギになってみた結果』を50ページほど読む。面白そうなのだけれど気持ちがテンションについていけないのか、うまく読み進められなかったので途中でやめてTwitterを眺める。

 診察では最近の気分の落ち込みはどうですかとか、食事、睡眠について聞かれた。個人的には暖かくなってきたので行動的に動けるようになったし、気分も安定してきた気がする。1ヶ月前は10時間くらい眠っていたのだけれど、最近は8時間半くらいに戻ってきている感じもする。食欲に関しては元々「すごく食べたい!」と思う方ではなく、むしろお腹が減ってるのに気づかず行動して具合が悪くなる方なので、特に変化はないことを伝える。

 今回は生育環境で何があったかを知りたいとのことだったので、あらかじめ思いつく事項をノートに書いておき先生に渡す。また、先生から薬の種類を増やすことを提案され、飲む薬が今日から2種類になった。まずはごく少量から様子を見て、副作用が出ないか確認してくださいとのことだった。


通院を終えたらぐったりとしてしまって、実家に寄って弟と一緒に横になっていた。夕方になり少しだけ気力が湧いてきて、コンビニに寄ってサンドイッチとはちみつ紅茶ラテを買い、公園で軽いピクニックをした。

 シャキシャキレタスが無性に食べたかったのだけれど、実際に食べて見ると「こんな味だっけ?」と思った。高校のとき好んで飲んでいたリプトンのミルクティーも最近飲んだら不思議な匂いがするな……と思ったので自分の味覚が変化しているのかもしれない。

 公園で『パッキパキ北京』を半分ほど読む。最近は研究についての本やエッセイ、ノンフィクションばかり読んでおりとにかく物語に飢えていたようで、小説を読めることがうれしかった。主人公は友人(?)とマウントを取り合う目立ちたがりでブランド好きの女性で、周りのことを顧みず突き進んでいく様は読んでいてかなり痛快だ。でも、同時に身の回りにいたら嫌だなとも思う。タイトルの「パッキパキ」ってなんなんだろうと思っていたが、北京の寒さの「パッキパキ」だった。

 作中に出てきた「青島名物のホラ貝の海鮮蒸しや、鰆の餃子」がおいしそうで気になるし、主人公が飼っている凶暴なロシアントイテリアを見て「あのチワワを見てると、濡れて凶暴化したグレムリンを思い出すんだよ、僕は」と表現する主人公の夫の台詞がユーモアに溢れていて気に入っている。ロシアントイテリアという犬種は初めて知ったし映画『グレムリン』も観たことがないのになんとなく想像できるのが不思議だ。

 はちみつ紅茶ラテは想像より甘かったけれど、本のお供にはちょうど良かった。公園には小さい梅の花が咲いていた。膝くらいまでに切られている株なのに、と生命力の強さに感心してしまう。


 翠ぱーかさんの春のはみがきまつりのはみがきカレンダー、みなはむさんの4月のカレンダーを印刷した。お部屋に貼るのが楽しみ。

@urushino_nagi
生活 感想レターなど貰えると喜びます