うつくしい夢、映画を観る

漆野凪
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 夢を見た。舗装された道路を歩っていると、遠くに白から濃い桃色の桜が並んでいるのが見える。うれしくなって駆け寄ると、歩道にまで染み出したような川があって、その透明な水の中に緑色の水草や緋色の鯉、きらきらと光るヤマメなどが泳いでいる。忘れ難い光景だけれど、所詮は夢なので忘れてしまのだろう。

 朝9時に目が覚めた。どうにも怠く、起き上がる気になれなかったのでそのまま11時頃まで横になり、布団の中で見た夢を反芻する。気圧の上下に加えて消退出血による怠さと眠気が襲ってきていた昨日に比べると、幾分か体調がましになっていた。

 なんとか起き上がると、洗濯機を回して干してあったタオルを取り込んでシャワーを浴びる。お風呂では考え事が捗る。最近は意志について考えていることが多い。思考がまとまったら記録したい。お風呂から上がり、タオルを畳んで洗濯物を干して掃除機をかける。お腹が空いてきたので、昨晩の洗い物を済ませて白だしを入れた卵を焼く。そこに作り置きのキャロットラペと肉野菜炒め、おにぎり、インスタントのわかめ味噌汁でお昼ごはんにする。味噌汁の価格が同じだからと減塩を選んでみたのだが、びっくりするほど味がしない。今度作るときは出汁の素でも足してみようと思う。

 予報では気温が少しだけ上がるとのことだったので、公園まで散歩をした。梅の花が少しずつほころんでいる様子を確認しつつ、おいしい文藝シリーズの『にっこり、洋食』を少し読む。一番最初に載っている、江國香織の「ポタージュと機械」からずっと面白い。おいしい文藝シリーズは載せられている短編に当たり外れがあるイメージだったので、ずっと面白いというのは珍しいな、と思いつつもうれしくなる。チョコレートやコーヒーやパンだと食品が限定されすぎるけれど、洋食という括りは少し幅があるのが良いのかもしれない。今日も少し寒かったので、数篇読み終えたら帰宅した。

 様々な映画を手当たり次第録画しているため、録画容量が逼迫していた。なんとなく本を読み進める気にもならなかったので、録画から映画『ミザリー』を観る。「ミザリー」シリーズで大ヒットした小説家が事故に遭い、1番のファンを自称する女性が優しく看病してくれるのだが、その女性は病的なまでにミザリーを愛するあまり小説家を監禁し、無理やり小説を書かせるというサイコスリラーもの。静かなのに女性の演技に目が離せないし、監禁から脱出しようとする主人公パートもスリル満点で面白かった。個人的にはかなり好みの映画だった。

 気持ちに余裕があったのでAmazonプライムで映画『きさらぎ駅』も観る。2ちゃんねるで有名な都市伝説をテーマにした物語。異世界脱出RTAとは聞いていたけれど、主人公は噂に違わぬ行動っぷりだった。続編?として『リゾートバイト』も公開されているので、そちらも気になる。

 自分から映画を観るのは久々な気がする。体力や気力が回復を示しているような気がして、なんだかうれしい。明日は天気がいいらしいので日向ぼっこをしたり、サンドイッチを作ったり、外で本を読んでお茶を飲んだり、散歩をしたりして過ごしたいな、といまから考えている。楽しみだ。

@urushino_nagi
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