眠れない日

漆野凪
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 9時半に目が覚める。気圧のせいなのか眠気がとれなかった。母がスパイスからカレーを作ってお裾分けしてくれたので、朝ごはんに食べる。普通のカレーよりさらっとしていて重くなくて食べやすい。胃にものを入れたらより眠くなってしまって、お昼くらいまで横になって過ごす。

 天気が良かったので着替えて近所の公園で本を読む。読む本は図書館で借りた群ようこ『たべる生活』にした。暖かいので蟻があるいていて、口を開けたままの鞄に侵入されそうになった。日差しがぽかぽかしていて春の陽気だったが、着ている服が少し薄着で肌寒かったので、20分ほどで帰宅。お昼に20分ほど公園で日光に当たるのがなんだか新井素子の『グリーンレクイエム』みたいだな、と思う。

 自宅で本の続きを読む。読みやすいエッセイで、その日のうちに読み終えた。基本的にはおせっかいな女の人がたべることについて考えている文章で、たまに説教くさくもあるのだけれど、自分がおせっかいなことを自覚して一線を引いているのと、自分の食事に対して芯があるので不快になることがなかった。むしろアクのような部分で人間くささと感じられるほどよい文章だった。まずかった料理として、中国の田舎で食べた椿の葉の炒め物と羊肉の餃子が挙げられていた。あの硬い、クチクラ層で覆われている椿の葉が食用になってるところが見当もつかない。炒めて柔らかくなるものだろうか。まずいのに興味をそそられるというのは不思議だ。また、辰巳渚『あなたがひとりで生きていく時に知っておいてほしいこと』が作中に出てきて、面白そうだったので気になっている。

 読み終えたら夕方だった。人参をひたすら細切りにしてキャロットラペを作った。試しに酸っぱくて食べる機会を逃していた夏みかんも一緒に入れてみた。少し味が足りなかったので、黒胡椒とナツメグとモッツァレラ風プロセスチーズも加えた。ついでに卵も茹でて、キャベツとしめじのみそ汁も作った。ここにお裾分けのカレーを加えて晩ごはんにした。

 夜の9時頃になると異様に眠かったので、9時半頃布団に入った。眠いのになかなか寝付けない。結局11時過ぎまで起きていたように感じる。寝ついたあとも眠りが浅かったのか、朝4時ごろ目が覚めた。目も口もぱさぱさで、お腹も空いていた。水を飲んで目薬を指して、牛乳を温めて飲んだ。そのまま布団に入ったが、口の中と首の後ろが冷えているのか、やはりなかなか寝付けない。先日も片頭痛になったので気圧やホルモンバランスの影響かもしれない。はやく寝付けるといいな、と思いながらこの文章を書いている。

@urushino_nagi
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