とりあえず生き延びる日々

漆野凪
·

 7時半に目が覚める。よく寝たけれど少し眠い。顔を洗って歯を磨いて洗い物をして、朝ごはんを食べる。

 昨日のあまりのサラダに焼いた目玉焼きをのせて朝ごはんにした。久しぶりにまともな朝食を食べたかも。朝は卵かもしれない。


 ルピシアの白桃烏龍を淹れて本を読み進める。河出書房新社の『14歳からの映画ガイド』を読み終えた。桜庭一樹と武田綾乃と小林靖子目当てで手に取ったのだけれど、冒頭の方に掲載されいる、朝井リョウさんの文章がすごく素敵だった。

「私は今でもいろんなことに悩み苦しんでいますが、14歳の頃の自分に伝えたいのは、とりあえず自分でいろんなことが選択できるようになる時期までは生き延びてみては、ということ。悩みや苦しみって大人になっても根本的に解決しないんですけど、生きてきた時間が長くなればなるほど、人生に対する悩みや苦しみの割合は小さくなってくれるんです。単純な算数の話です。14歳の今は人生の9割が苦しいかもしれないけど、20歳くらいまで生きたらそれが7割くらいになって、という感じで、自分を悩ませ苦しませるものの存在感は減少していくはず。だからせめていろんなものを自分で選べるようになるまでは、多少ずるいことをしてもなんでもいいから、とにかく生きてみてほしいと思います。」(p.22)

 読んだときに「とりあえず生き延びてみよう」と思える文章。わたしはもう14歳ではないけど、いつかこの文章が心の拠り所になる日が来るかもしれない。

 また、作中で小林靖子が変な映画を紹介していて、『忍者武芸帖百地三太夫』は「若き真田広之が仲間を茶毘に付しながら突然踊り出す悲しみのダンスシーンがすごい。」、『ムトウ蛹るマハラジャ』は「全てのダンスと歌に中毒性あり。」、『男はつらいよ寅次郎わが道をゆく』「寅さんが実は第三惑星から来た宇宙人だったというシリーズ屈指の衝撃的なアバン。」と、どれも非常に気になる内容だった。


 散歩に行った。キバナコスモスらしきもの、ノアサガオのようなもの、イネ科の花が咲いていた。やたら透き通った小石も拾った。


 お昼ごはん。サラダと焼き鮭とご飯、インスタントみそ汁(とうふ)。

 ご飯を食べつつ1960年の白黒映画『勝手にしやがれ』を観るも、犯罪者の男がヒロインに一緒に寝ようと言い続けているだけだったので後半の記憶がない。映像も途切れ途切れで、あまり面白さを感じることができなかった。

@urushino_nagi
生活 感想レターなど貰えると喜びます