面白いからです。
急ですが僕と綾瀬川くんは地元が同じです。1話の序盤に出てくる案内標識(どうでも良いですが何かと綾瀬川自身に変化が起きる時に標識よく出てきますよね。読者が生活の中で標識を見る→道を選ぶ みたいな思考を辿るのを利用した表現なんですかね ホテルでの執拗とも言えるサイレンの表現とか、虫の鳴き声を入れるタイミングとか、そういうところが細かくて気づくたび面白〜となっています) 、全部見たことあってびっくりしちゃいました。綾瀬川もチャリンコで行けます。ダイヤモンドの功罪聖地巡礼は僕に任せてください。
住んでた時は気づきませんでしたが足立区って普通に治安が悪いみたいで、他の地域ではチャリパクられても次の日に同じ場所に帰ってきたりとか、道端でぶつかったらお互いに罵声を浴びせた後何も起きてないようにそのまま素通りしたりとかしないらしいです。要するにそういうところで小中高過ごしていました。
僕が野球部にいじめられていたのは中学生の頃です。当時ソフトペニス部に所属していました。僕の中学は強い部活といったらソフトテニヌか野球!みたいな感じでそういう共通意識のせいかいつもテニス部と野球部はバチバチに仲が悪かったのです。
外周や廊下(雨の日)を走らされてる時は必ずサボっている野球部に「もっと走れよテニス部ゥ!!」怒鳴られて、小心者の僕はビクビクしながら走るスピードを上げたりしていました。でも走れば走るだけ笑われるのですごく嫌でした。僕はいじめられっ子体質なので普通に制服着てる時でも話しかけられたりしました。体育で野次飛ばされたりしました。 今でも覚えてるもんな。怖くてヤバかったです。僕の中ではもう完全に野球部は監督や顧問に扱かれすぎて野球をしていない間は人をいじめるか性欲のことしか考えていない野球の獣、野獣(やじゅう)の集まりでした。
ただ、抵抗しなかったというとそういうわけでもなく、テニス部もテニス部で色々と狂っていたので(私が2年生の頃に体罰で顧問が懲戒処分となりテニス部は消滅しました)野球部に陰湿な抵抗をしたりしていました。思い出せるもので言うとピッチャー?が球を投げる練習用の真ん中に穴が空いた緑のネットを、野球部が練習を始める前にテニス部が奪い、それを野球部が荷物置く通路とかに置いて、そこで複数人で練習(球出し)することで物理的に野球部の居場所を奪う みたいなことをしていました。ただし、野球部のように罵声を浴びせたり汚い言葉は使わない。テニスは貴族のスポーツである事の矜持。先輩はこれを「ノブレス・オブリージュ」と呼んでいました。
ここは、足立区です。自販機の下に精神病の薬が落ちているような街です。

緑のネット 二人でギリ持てないくらい重い
僕が野獣(野球の獣)を一番恐れた瞬間があります。
ソフトテニスに入部して野球部と顧問にいじめ抜かれた夏休み(なんと、お盆休みがなく未成年13歳を朝3時にグラウンドに集合させて夕方18時30分に帰宅させるような顧問でした)、僕はある遊びにハマっていました。
ラケットのスロートにソフトテニスの柔らかい球を捩じ込み、思いっきり球を飛ばす遊びです。(どういう原理で飛ぶのかまだわかりません)本当にあり得ないくらい球が飛ぶんですよ。あれをすれば、誰でも「鳥」に成れました。いじめられっ子の僕でも。
僕は普通に弱かったので、普通に実力もなく。普通に雑用係としてセコセコ働いておりました。それでも当時僕もテニス部に所属し続けていたくらいには若かったのでテニス自体は好きでした。なので、鳥をする事で「私はいまテニスを楽しんでいる!私はテニスが上手いんだ!」という催眠をかけてどうにかいじめとかをやり過ごしていました。文字にすると悲しすぎますよねこれ。

なぜか空いてる三角の穴 ここにボールを突っ込むとなぜか球が超飛ぶ
熱中症警戒アラートが空に鳴り響こうとも野球部とテニス部は外で練習をさせられていました。僕は束の間の休憩時間に、雑用ばかりで飽きてしまったから気分転換に鳥をしようと思いつきました。
ギュムギュムと球を詰め込み、両手でグリップを握る。
もう これで 終わっても良い
だから、ありったけを───‥‥!
そんな気持ちでラケットを思い切り振ると、球がボイッと鈍い音を出して考えてもない方向へ飛んでいきました。それは、遠くの方にいる、練習試合をしている野球部の校庭へと飛んでいき。(多分)一番視線が注がれるピッチャーとバッターの間くらいにボインと落ちました。 でも僕は結局どこに落ちたのか見ていません。野球部の方に飛んで行ったボールを見るや否や瞬間的に身体が跳ね、今までにないスピードで校舎へと走り出していたからです。
この瞬間が一番青春していました。急に走ったせいで酸欠になり頭が痛くて、蝉も煩いし、前髪にくっついた汗が気持ち悪くて、でもやけに太陽は眩しくて。校舎に入ると中は暗くて。そのコントラストに目がチカチカしました。静かな廊下を歩きながら、野球部の野太い掛け声が校庭から聞こえてくると、段々と自分がしでかした事の重要さに気づいてきました。
(あの球やったの自分ってバレたらもっといじめられるだけじゃなくて先生にも怒られるんじゃん……)
おや、エスの顔から汗とは違う液体が流れている……
鼻血だ。知らないうちに出血していたようだ。結局このことは誰にもバレてなかったようで、次の日も野球部は普通に変わらず僕をいじめてきた。すごくやだだった。
ダイヤモンドの功罪のキャラも、試合中にソフトボール落ちてきたら、普通に戸惑うし、怒るだろうな。 綾瀬川だって…… 綾瀬川には、分かんないよ……こんな気持ち……

6巻買えました