パチンコ屋さんの前を通った時、自動ドアが開いておじさんが咳き込みながら出てきました。負圧がかかってた店内から独特の香りが外に広がる。品行方正清廉潔白なレディ達は知らないと思いますが、パチンコ屋さんは"パチ屋"の匂いがするんです。ありとあらゆる芳香剤を混ぜ込んだ上から、これまた香りの強いファブリーズを液ごとぶちまけた、そんな香りがするんですよ。香りと記憶の結びつきは密接ですから色々なことを鮮明に思い出します。昔、東京に住んでた時雨宿りがてら寄ったパチンコで大負けしました、それはもう盛大に。帰りの電車賃すら無い程の負けっぷりでした。しくじったなぁ、途中5,000円ほど勝ってた時に大人しく帰れば良かったなぁ、なんてカスみてぇな反省をしながら中野から家のある荻窪へと歩きます。22時を過ぎているのでそこそこ治安が悪いです。弱虫ペダルの緑の人みたいに自転車を漕いでるおっさん、電柱を罵倒するおっさん、立ちションをするおっさん…おっさんは自由過ぎます。前の二つは出来たとしても、私は女の子だから立ちションはできません。女の子は不自由です。他にも歩きながら色々な事を考えてました、「乙女ゲーがパチンコになるのはあかんやろ」とか「やっぱ隣の人が勝ち始めたら台変えるべきやな」とか「どうやったら幸せになれるんやろ」とか…。雨上がりの香りはゲオスミンとやらの匂いらしいです。私は"げ"という音に野暮ったい印象を持ってしまうのでジェオスミンって呼ぶ方が好きだな。