世の中にはマイナンバーカードに抵抗を持つ人が少なからずいる。マイナンバーと称して一元管理されるのはいやだ、という意見もある。
一方で、ウェルカムな姿勢の人もいる。自分もそうだが、やることが減り便利になるならIDくらい振らせてやるよという気持ちだ。
便利にすることとは、その人の代わりに何かをしてあげるということだ。世の中のビジネスの源泉でもある。しかし、便利になることは中央集権的な仕組みに乗っかるということでもある。
ブロックチェーンがweb3の文脈で流行った時、分散型署名が売りのはずの技術は参入障壁が高く、サービスという形で一般層に提供された。利用するには便利さが不足していて、やはり誰かが便利に作り直す必要があった。
サービスという形の中央集権化により、世の中はどんどん便利になっていく。個人がやらなきゃいけないことを「やってくれる」誰かに移譲することで、個人は楽になる。
しかし、便利になるほど管理されるものも増えるのだ。そしてそれを受け入れた人間と、それを拒否した人間には様々な差が生まれていく。
人類の至上命題として、生産性の向上がある限り、人は成長するために誰かに何かを任せ続けなければならない。それが例え、個人情報を握られる事になっても、時には受け入れなければいけない事もあるだろう。
身近なものでは、住所やメアド、電話番号を管理してもらうことで、配達というインフラに乗っかることができる。住所はかなりセンシティブ情報であるが、わざわざこれを拒否して自分で取りに行く人は少ないだろう。
そうやって生活は便利になっていく。当たり前のことだが。