
平和紙業さんのショールーム、PAPER VOICE TOKYOで開催されていた標題の展示会に行ってきました。

側面には印刷についてとか、箔押しについてとか、凸版についてといった印刷と箔押しにかかわる内容がパネル展示され、読み物としてもとても勉強になる展示になっていました。
ひとつ気になったのは、油性インキは「乾燥」によって紙にインキが定着するのではなく、「酸化重合」でだと思うんですけど、一般的に理解しやすいのは「乾燥」だからそういう意図でのワードチョイスなのかな? と思いました。
それはともかく。

なかなか仕事では使えないけど、玉虫色の箔。最新号のデザインの引き出しみたい!

これはこの箔押しに限らず全部に言えることですが、見てください、この箔押しの見当精度…! こんな箔押し、印刷とずれるのが怖くて普段は使えません(弊社工場の箔押し精度の問題では? というツッコミも当然ありつつ)。コスモテックさんの職人芸ですね〜。惚れ惚れしてしまう。
そしてもうひとつ驚いたのがこれ…。

落っこちる黒猫の周りの箔をご覧ください。
箔押しがグラデーションになっている……?

凸版用のデータもモヤモヤしている……。実際の凸版はどうなっているのやら、と思ったら凸版も展示されていました!

凸版にたくさんキズ? を入れてこれを再現している…!
どうやってこの凸版のデータ通りに凸版を起こしたのか、この凸版の制作会社はどこか、といったことは平和紙業の担当者さんはそこまではご存知なく、僕は「もしかしてツジカワさんかな…」と独りごちていました。
箔押し用の凸版のデータって、箔がありかなしかのバイナリのような、2値データが普通なんです。だからグラデーションのように、箔がちょっとずつ薄くなるような表現は通常できません。そこを逆手に取って、ハーフトーンスクリーンのように、2値データだけど、細かい点や線で箔がぼやけるような表現をしているのですね。通常使われるマグネシウム版ではなく、亜鉛版だからこそなせる業なのか? 凸版を制作した会社さんにいろいろお聞きしたい! くぅぅ〜
というわけで、印刷や箔押しが大好きな方は絶対に楽しめる展示会です。今月21日までと残り会期も短くなっていますので、ぜひ足を運んでみてください。茅場町駅からちょっと歩きますが、涼しくなってきたので歩いていても気持ちいいですよ〜!

それではまた!