まるでツアーの余韻を、一足先に感じてしまったみたいだった。
KarinさんのDua Lipaは、ライブそのものだった。
「New Rules」や「Physical」のオフバイクの動きが、まるで舞台の上のダンサーみたいで、私はひとりで勝手に興奮していた。
特に「Physical」の冒頭、真っ赤な照明がばっと照らされて、歌が始まる瞬間。
それから、最後の “Phy, phy, phy, physical” で拳を突き上げる先生の姿に、私は完全にやられてしまった。
「Cold Heart」では、心地よいサウンドに身を揺らす先生がいた。
"It's heartful voice...Come on, Dua Lipa."
Elton JohnからDua Lipaへ、音楽がなめらかに切り替わる。
流れるようなそのスタイリッシュなInstructionに、またひとつ心を奪われる。
ダンベルの曲、「Levitating」
ダンスの要素が、いつもよりずっと多い。
クラップを打ち鳴らして、“Yeah×5” で横ピースをする先生。
そのタイミングがあまりに完璧で、私はまた先生を好きになってしまう。
DaBabyのパートで、“Left foot, right foot” に合わせて足を前に出しながら、いたずらっぽく微笑む先生。
その表情に、胸の奥がぎゅっとなる。
めんこすぎて、私はBridgeどおりにロケットで打ち上げられ、大気圏を突破してしまった。
気づけば、完全に “I'm Levitating” だった。
スタジオの空間が、まるでミュージックビデオみたいに彩られる。
みんなでダンベルを振る光景を見ていると、私もバイクを降りて踊りたくなる。もちろん、そんなことは許されないけれど。
先生は、私の好きな歌詞や音を、まるで拾い上げるようにしてくれる。
「Dance The Night」の “I could dance, I could dance, I could dance” や、Bridgeの“Yes I can, Yes I can” を口ずさむ声が、私には特別なものに思えた。
それは、この曲の主人公が、傷ついてもなお毅然と踊る姿を、そっと支えるような気がして。
「Don't Start Now」の “Don't start caring about me now” のあとに響く「ンッコ・コ・コ・コッ!」に合わせた先生の手と首の動きも、忘れられないくらい好きだった。
そして、私がこのプログラムで一番好きな曲、「Electricity」
恋に落ちる感覚を、電流に例えたこの曲。流れるようなメロディに、先生のInstructionがぴたりと重なる。
2曲目が終わり、イントロが流れた瞬間、先生は手をメガホンにして叫ぶ。
“Pick up the pace!!”
P2DTの合図。オフビート、SF、コンビネーション。それらを指示するタイミングが、まるでひとつの旋律のように滑らかで。
私はひそかに思う。曲の解釈が、一致している。
シンセサイザーの軽やかな響き、リズムに溶け込むピアノやストリングス、そして先生の歌声。
この音に包まれながら漕ぐ時間が、私はたまらなく好きだった。
そして、最後の「Scared To Be Lonely」
ビルドアップの2セット目。
Duaの歌声と、Karinさんの "Scared to be lonely" が重なる瞬間。
胸がぎゅっと締めつけられる。熱を帯びたその歌声に、心が揺さぶられる。
BB2 DUA LIPAのセトリには、物語がある。
恋に傷つき、前を向いて、また恋をして。そのたびに強くなったつもりでいても、最後にはまた、孤独が怖くなる。
その人間らしさを、ラストにぶつけられるからこそ。
“Scared to be lonely” のフレーズが、私の心にまっすぐ刺さるのだ。
ラストのP3DT。EDの2カウント。
気持ちが溢れて、涙がこぼれそうになった。
Karinさんの、凛とした佇まい。その声。
Dua Lipaとの親和性は、想像以上だった。
このプログラムを、ここまで深く味わわせてくれるレッスン。
私は、心から大好きだ。
次のAWでまた提供があれば、絶対に受けよう。