2月の東京に雪が降った。
2日後、溶けたと思っていた雪は大学のグラウンドには残っていて、思わず足を踏み入れる。ザクザクと雪を踏み抜いて歩く。同じように歩いている人を見て、誰も踏み抜いていない所は歩きたくなるよねと思っていたら友人だった。2人で雪の上を歩きながら真っ青な空を見上げる。じんわりと赤くなる耳、雪に触れて悴む指先、雪のせいで眩しくて思わず細める瞳。
光にかざすと当たり前に溶けてしまう雪、光の輪郭がはっきりわかるのが不思議で、それでいて目が離せなかった。青と白が緩やかに混ざり合ってまた離れていく、そんな瞬間を何度も、何度も。
冬、雪の日、思い切りグラウンドで遊んで疲れ果てる。一回休み。うたた寝の後、図書館にこもって史料を見る。一マス進む。そういう日。