町のこと

るり
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みっか。3月も3日目。行く1月逃げる2月去る3月とよく聞くけれど、瞬く間に過ぎ去っていくであろう3月に、歩き出さなければと思っていても、ままならない。

朝はいまだに寒いし頬を打つ風も時折寒い。育った家が特段寒いのかもしれない。

東京に来て、今年で10年目になる。岡山の家では18年過ごしていた。生まれてから高校卒業までを過ごした時間(18年)の半分を超える年数(10年)を東京で過ごしたのだとふと気付いた。つまり今年で28年生きたことになるのか。まだ28年かとも思うけど、もう十分じゃないか?とも思う。

いずれ、どこかで過ごす年数が岡山で過ごした年数を超えるのかもしれない。それが東京かどこかは分からないけれど。

ずっと、生まれ育った岡山という町が、好きではないと思っていた。今も、好きかと言われたらよくわからない。同窓会に補助金出すとかいう変な政策してるし。交通面で住みやすいかどうかと精神的に安心するかどうかは別だし。でもどうしたって嫌いになれない。

生まれ育った町と好きな町は必ずしもイコールではないし、イコールにする必要はない。私は自分が生まれ育った町を手放しで愛することはできないけれど、この町で生きなければ今の私はなかったと思っているし、この町のこと、少しは好きだなと思うこともある。

言い表せない息苦しさを感じて生きてきたことを否定はしない。それでも、その息苦しさの名前を見つけようともがくきっかけをくれたのもこの町で出会った人たちだった。

住み良いと感じる場所が、生まれ育った町ではなくてもいい。本当にそう思うよ。この世界のどこかに、安心できる場所はきっとあるって思いたい。思うだけじゃなくて、私も作る努力をしていきたい。これからの私と誰かのために。今までの私と、誰かのために。

@utatane
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