「どうしてお母さんのこと、大事にしてくれないの?」
「俺が何を考えてるのかわからないのは、お前が俺の事をいいかげんに捉えてるからだ」
人を大事にする、という振る舞いがどのようなものを指すのかも、私には曖昧なのだけれども。
私なりに、大事にしたい人には誠実に向き合ってきたつもりであると、10年間を振り返って思う。
これは驕りなのかもしれないけれど、私を大事にしようとしてくれる人たちが居る、とここ数年感じるようになってきた。
頭の片隅に私のことを留めておいてくれる人。
私に傷ついて欲しくないと考えてくれる人。
幸せで居て欲しいと祈ってくれる人。
とても困っている。
受け取り方がわからなくて。
情けなく思う。
「ありがとう」と、言うことはできるけれど。
淀みなく言葉を発することができなくて、申し訳ない気持ちになってしまう。
大事にしてきた何かに質量があるなら、それが帰ってきているような。
もしかしたら自分の質量を削ってしまっていたのではないかしらと。
この帰ってきている質量は、もしかしたら相手が何かの質量を削ってしまってやいないかと。
申し訳なく思ってしまう。
私なんかに、と思ってしまう。