マストドンのTLに流れてきたこちらの文章を読んだ。誰かの文章をまるまる引っ張ってきて乗じて語るということをあまりしない自分だけど、この文章の中で書かれている筆者の妻さんの話がグサグサきたので、何か書き残しておきたくなった。
(※コラムの主軸からは少し逸れた内容になるかもしれないことを先にお詫びしておきます)
筆者の妻さんは体調を崩して精神科にかかっており、診察の時に医師に不安の原因を聞かれ、昨今の国内外の政治状況が関係していると答えた。すると、それはあなたには無関係なことでしょうというようなことを言われたそうだ。
この話がすごく胸に突き刺さった。自分の体調不良の原因も政治や社会状況(蔓延する差別)が大きな割合を占めていて、そのせいで病院に行きたくても行けずにいるからだ。
家族関係とか、勉強や仕事の悩みとか、健康とか、そういう一般的に想定されている悩みが原因であったなら、もう少し楽に足を運べていたと思う。でも、今の自分の悩みは社会システムや政治に関することが多い。診察の時にどう話せばいいのか分からない……そもそもこのコラムで書かれているようなメンタリティの医者が多数派なんじゃないだろうか……医師という職は権威性を帯びているものだし、現状社会的マジョリティにあたる属性を多く持っている人の方がなりやすいだろうから……
病院でFさん(コラム筆者の妻さん)のように正直に胸の内を打ち開ければ、冷たい返答をされたり首を捻られるんじゃないか?ということはずっと懸念としてあった。
過去に内科でストレスの原因として思い当たることを聞かれたことがあったけれど、その時は一瞬口ごもったあと特にないと答えた覚えがある。相手が何者であるのか分からない状態で、安心して話すことなどできない。嘘をつくしかなかった。
物理的な症状への対処が可能な内科だったからそれで診察が滞ることはなかったけれど、メンタルを診る精神科はどうだろう。ストレスの原因という重要な部分を誤魔化したまま治療を進めることなんてできるのだろうか。やっぱり傷を深められるリスクを負ってでも正直に言わなければならないのだろうか。怖い。言えるわけがない。いったいどうすれば……
そんなふうに膠着状態を続けながら時の止まった人生を歩んでいる。ずっとこんな調子だ。
自分のような人間は一例で、他にも他者に打ち明けるのが難しい問題を抱えている人ってたくさんいるんじゃないだろうか。例え医者相手だったとしても、いや、だからこそ、相談する勇気が出ずに放置せざるを得ない状態にいる人、たくさんいるのでは。逆にコラムの中のFさんのように、一応相談はしてみたけどまともに取り合ってもらえず、どん詰まりになってしまった方なんかもいそうだ。
そしてそのことが、この国特有の引きこもりや、不登校数の多さ、そして自殺率の高さを生み出している面もあるんじゃないだろうか。