HUNTERxHUNTERは良きですよ

蟒蛇
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2023/09/19に書いたH×Hの感想文を加筆修正して載せます。

面白いとの噂を聞いてはいたけど漫画もアニメも手をつけたことがなかったH×Hを、2023年にして初めて見ました。もうとにかく面白くて、偏見とか差別的な引っかかりもほとんどなく、久しぶりにいい作品に出会えて感激しましたよ。

その気持ちを赤裸々にしたためたものがメモ帳に残っていたので、もったいない精神(?)で放出しようと思います。どのエピソードも良かったんですが、特に心にぶっ刺さったキメラアント編をメインに綴ってます。

長い長いキメラアント編を見終わった。

H×Hという作品の1エピソードのはずなのに回を追うごとにH×Hとは別の独立した作品を見ている気持ちになったのは、主人公たちを差し置いてほとんどメルエムとコムギの物語になっていたからだろうなぁ。

序盤の時にはこんな結末になるとは微塵も思わなかったし、こんなに長く続くエピソードだとも思ってなかった(原作未読)。

こんなに新鮮でワクワクに満ちた物語が2006年にはすでに存在していて、アニメももう10年近く前に放送されたものだっていうのが信じられない……最新作品をリアタイしてる気分で見れた。クオリティもメッセージ性も見劣りしなかった。

原作とどれくらい違いがあるのかが気になるところ。

つくづく予想は裏切るけど期待は裏切らない作品だったな、H×H。

途中、ドキドキ感や程よいストレスは与えつつも、最後の最後には充足感と癒しをくれる。マッチョと見せかけて実はすごく優しい。余韻で白米が食える。

メルエムとコムギ、ものすごく理想の関係性だった。

絶対的な力を持つ王と庶民の少女、しかも少女は視覚障害者で学もない。となれば、王に寵愛される愛玩具として侍らせられるという展開になりそうなところ、少女コムギにはボードゲームの圧倒的な実力があったために、最期まで王メルエムの越えるべき壁として存在し続けた。

ボードゲームは二人を繋ぐコミュニケーションツールであり、物理的な力では到底敵わないコムギが全知全能の種の王足り得るメルエムを不完全な存在にさせた唯一の「武器」でもあった。

その絶妙なバランスの中で対話を続けたことで、感情を持たない蟻とのキメラゆえに冷酷だったメルエムに慈愛の精神を目覚めさせる。

そして直前の戦闘で受けた毒により先が長くないことを察した王は、最後には彼女に己の名前を教え、王としてではなくメルエムという個人として自ら対等な存在となることを欲した……

万年単体萌え・夢者の自分だけど、この二人を見ていたらShipperや関係性のオタクを名乗る人たちの気持ちがちょっと分かった。初めて「推しカプ」という存在ができた。

H×HってNARUTOとほぼ同時期に連載開始だから世代のはずなんだけど、今までタイトルと主人公の顔ぐらいしか知らなかったのはなぜなんだろう。休載しまくってるからかなぁ。

大学までずーっと周りの友人みんなオタクという環境で生きてきたけど、H×Hが好きって人には出会ったことがなかったんだよな。

小学生の時に一人だけ、H×Hって漫画の群衆描写が思いっきり棒人間で作画ヤバすぎ! みたいなことを言ってページを見せてきた子がいたのは覚えてるけど、その子も普段はNARUTOとかBLEACHとか銀魂の話ばかりしていた。

大人はともかく、小中学生は長い休載を待てるほど熱が続かないってことなのかな……たまたま自分の周りにファンがいなかっただけの可能性もあるけど。

とにもかくにも、今までは 休載と連載の比率が逆転してるような作品をみんなよく律儀に待てるな〜 なんて思ってたけど、このクオリティの作品を見れるならそりゃ年単位でも待つわなと実際に見て納得した。H×H面白い。

(キャラ単体ではベタだけどヒソカが好きです)

(ちなみに実際にアニメを見る前までは、タイトルからハンターをハントする物語だと勝手に思ってました)

@uwabami
オタクィアフェミニスト。社会やら趣味やら雑多に語ってます。 詳細なプロフィールや語りの傾向は固定記事にて。