※2023/07/27に書いたものを加筆修正した文章です。
※自死を選択した著名人の話題に触れています。
自死を選ばざるを得なかった、あるいは希死念慮を抱えた者に向かってよく言われる「家族が悲しむだろ」みたいな言葉、学生時代から希死念慮を抱えながら「延命」し続けている人間としても本当に本当にウンザリしている。
死ぬことしか解決方法がないと思わされるほどの強い苦痛を感じている当人の存在をすっ飛ばして、真っ先に当人の身近な者を心配し始めるというその分析したくもないおぞましいバイアスのせいで、やっとの思いで頭から追い出せた希死念慮が駆け足で戻ってくるというのをこれまでに何度も経験してきた。
「深い繋がりのある者たちがいても命を絶ってしまうくらい凄まじい苦しみを感じていたのだろう」ではなく「大切な者たちがいるのだから踏みとどまってほしかったな」などという発想になるのは、(本人は無意識だろうけど)他者の人格や苦しみを軽視しているとしか言いようがない。
また、これも恐らく完全に無意識だろうけど、「自死という行動をとる者は異常者である」「身近な者はそんな異常者に振り回される被害者である」という蔑視も薄らと含んでいるように思う。アイツらは異常な精神をしてるから、そんなヤツらのことなんて常人に理解できるはずがない、となれば心配すべきは「正常」たる遺族たちの方だ……そんなメンタリティが見え隠れしている。
時には「深い繋がり」が自死の原因だったりすることも少なくないのだけど、希死念慮を抱いたことのない者からしたら想像がつかないのかもしれない。本当にどこまでも無神経で的外れな言葉だなと思う。
そういった無神経さに触れるたびに、この国が自殺大国なのも納得だなと呆れ返る。
書いた時のことを詳しくは覚えてないんですが、時期的に恐らく亡くなったりゅうちぇるさんへの心ない言葉を目にして、自分自身の経験と重ね合わせながら書き綴った文章だと思います。
死者には何も聞こえないし何も言い返してこないからとオープンな空間に好き勝手書く人がいますけど、そういう言葉って希死念慮を抱えている人を崖から叩き落としかねないんですよ。二度と口にしないでいただきたい。