黒尾鉄朗、結婚してください。
いきなりなに⁈ って話ではあるが、劇場版ハイキュー‼︎ ゴミ捨て場の決戦を観終わったあとの率直な感想である。黒尾鉄朗、結婚してください。
え、あの映画ってたしか二月に公開じゃなかった……? と思ったそこのあなた。はい。そのとおりです。三ヶ月弱、映画館に行く機会を大事に大事に温めてまいりました。いやあ、混雑を何よりも嫌う性分ゆえ、連日絶賛満員御礼になるであろう映画を、公開ほやほやのタイミングで観るなんて、大晦日の浅草寺に思いつきで行くぐらい無謀なわけですよ。え? 伝わらない? ゆく年くる年を見ればそこに答えはあります。
というわけで、温めすぎてなんかもう、ぐずぐずのぶにゃぶにゃで原型をとどめていないような気もしないでもなかったですが、行ってきましたよ! えいやっと気合を入れて。そして、からの、黒尾鉄朗なわけです。原作の時点で抜群にいい男でしたけど、声と映像ならではの躍動感がつくとまたね、もうね、いいっ!!! 結婚してっ!!!
ゴミ捨て場の決戦といえば、バレーボールしかしていない漫画として有名なハイキュー!! のなかでも一位、二位を争うほどの名試合なわけで、さらに声優たちの白熱の演技とここぞというタイミングで挟まれるすばらしいBGMが重なって、黒尾鉄朗だけじゃないぞ! というところをこれでもかと見せてくれましたね。みんな輝いていた。なんなら猫又先生も輝いておりました。じじいには歴史がありますからね。にじみ出るものがあるわけです。余談ですが、ツッキーとても良い声してるね。赤葦と同等もしくはそれ以上の美声でした。そしてさとりんはまっっっっったく違和感のないさとりんボイスでした。あのファニーでクレイジーでクレバーな役は、木村昴さんしか演じられないね。
ハイキュー!! という漫画は、全員が主役であり全員がヒーローなのが大前提で、日向翔陽が主人公なわけだけども、映画になった今回は孤爪研磨がその役割を果たしていたように思う。つまり猫目線で描かれた映画。へえ〜カラスじゃないのかぁと呑気にコーラをずぞぞっとすすっていたわたしですが、ラストのラストでその理由が明かされるというか、都合のいいように勝手に解釈しましたよ。匂わせるねえ続編の存在を。あれかい? 続編がカラス目線てことかい? え? ったくよう、エンドロールの途中で客が退席したらどうすんだよう。と酒が入ってご機嫌なおいちゃんモードでニヤけるわたし。明るくなる館内。いけないいけない、コーラをすすりながらへらへら笑う怪しい女になるところだった。「怪奇! コーラ女!」なんて都市伝説が流布されたら大変だ。
肝心の映画の内容は、もう原作で知ってるので感想を述べるなんてことはしませんが、わたしはといえば「お疲れちゃんだよ〜」と双方を労う高みの見物勢と化しておりました。青春ていいね。若いっていいね。バレーボールは(きっと)楽しいぞ。そしてハイキュー!! を知らない人はいますぐ原作を買おう。45巻で得られる幸福。黒尾鉄朗はいいぞ。結婚しよう。(しつこい)。ゴミ捨て場の決戦なんて粋なタイトルどおり、粋な映画でした。キラキラ輝く宝物だらけの作品、観て損はないな。うん。
ということで、最後にわたしがいちばん気になったことを書き記してこのエッセイを締めたいと思います。
森々杜男……もりもりもりお……おまえは何者なんだ。