これは本当に事の発端の備忘録です。絵が見たい方は一番下に当時のメモを追記するかもですが、ほぼほぼ次の記事からです。
私の世界を作った作品たち
戦後日本の豊かな自然と想像力
さて、あまりハッキリと明言しないようにしていますが(私に情けないほど学がないので)、この漫画「堕天しないで!ククリエルくん!!」は天使を扱っているだけに、キリスト教の世界観の作品です。
じゃあうずなかはいままでそんな感じの、ヨーロピアンな作品の描いてきたかというと完全にNOです。ファンタジックなゲームの二次創作程度ですね。
むしろうずなかは、特に日本のオカルト、怪談、宇宙人、幽霊、宗教、信仰、妖怪、アングラサブカル等々…そういうものを延々描いてきました。
その根源は父の漫画コレクションにあります。
手塚治虫先生の「火の鳥」の宗教観
同じく手塚先生の「ブラックジャック」の倫理観
水木しげる先生の「ゲゲゲの鬼太郎」の自然や怪奇と人間の関わり
「総員玉砕せよ!」の生々しく皮肉の効いた戦争体験...など。
そもそも昔の漫画そのものがアングラサブカルですからね。
父は隠れながら鬼太郎を読んで、祖母に見つかったらガチで燃やされたそうです。怖すぎ。燃やすことなくない?
すこし横道にそれましたが、上記の作品を読むにつけ、漠然と「人間てなんてちっぽけなんだろう、私が知覚できる世界の外側に、人間如きじゃ理解できないもっと豊かな世界が広がってるんだなぁ~」と私なりに想像を広げておりました。
上記の中では「ブラックジャック」は医療の漫画で、主人公のブラックジャックは天才外科医でどんな病気でも治せてしまうのですが、たまに天才ブラックジャックでも病気を治せない回があって、そんなときブラックジャックは神に向かって叫んだり、亡き恩師を側に感じてその言葉を思い出したりします。
具体的は当時の手術の技法の説明などが入るリアルな内容で、しかも主人公は大天才という設定だからこそ、それでも人間は、結局どうしようもなくなったら神や仏や幽霊や、そういうものに縋るしかないという様子が、相対的に克明に描かれていると感じました。
そんなわけで、長くなりましたが私が日本のおおらかな多神教的世界観に強い影響を受けて、自分でもそれを自覚して絵を描いてきたという話でした。
また、その少し不気味で独特な世界観を見た人に褒めてもらえた経験もたくさんあり、非常にありがたいものでした。
それが約10年前までの話です。
この10年、生活スタイルが大きく変わったからか、絵が描きたいのにかけない、いわゆるスランプに陥っていました。
ところが最近絵が描けるようになり、何を描こうかと考えたわけです。
「今までと同じものはイヤだな」
と漠然と思いました。
私が描いてきたもの…日本のオカルトっぽいもの?
じゃあその反対は…ヨーロピアンでオカルトっぽいもの??
という超絶シンプルな理由でヨーロピアンなものを描く事にした理由です。
漫画って綺麗事ばかりじゃねえよな!!華々しく泥沼のような愉悦の世界!!つまりエロだ!!!!
さて、話は全く変わってしまうのですが、漫画を描く要因として、もう1つ私がなんと20年振りにハマった物があります。
それがBL漫画!!!!
私は腐女子は腐女子ですが、ずっと腐女子だったわけではなくて、復帰腐女子なんです。
好きなジャンルはゲームや1次ですが、私が20年前腐女子だったころ流行ってたジャンルは、最初期銀魂、家庭教師ヒットマンREBORN!、D.Gray-man、鋼の錬金術師、ガンダムSEEDなどのでした。Mr.FULLSWINGも生き残ってました。怖いくらい懐かしいですね。
鋼の錬金術師が大流行した時は地元の同人イベントが鋼の錬金術師オンリーイベントのようになったのは良い思い出ですね。
そこから腐女子友達と疎遠になったりネット環境が整うのが遅かったりでただのゲーム好きな絵描きになったのですが…
つい最近なんの前触れもなく、韓国の時代ものBL漫画「夜画帳」のTwitterの宣伝に出会ってしまったのです。
「なんだこの美しくも特徴的で見たことの無い絵柄は!?韓国の漫画家さんの絵!?しかもBL!?!?私がいない間にどうなったんだ、BL界隈は!!!!」
サブカルの潮流ならなんでも確かめたくなる私は、それがサブカルの潮流ではなく BLの沼だということに気づかずにズブズブとハマっていきました。
今ではすっかり多数の商業単行本を買い集め、特にヤリチン☆ビッチ部はDVDも買ってしまいました。
いやあの内容をOVA化、しかも声優さん実名ってすごすぎでしょ...!!
ついでに、90年代声オタだった夫の影響で90年代のBLCDも聞きあさっています。ただし世代的に、森川さんと井上さんが会話していても吉良吉影とカカシ先生が会話しているようにしか聞こえません!
強そう!!腐女子から少年になるぜ!!(実は長年少年ジャンプを愛読している心が少年な部分もありますが今回は割愛します)
また話が脱線しました。
つまり以下のような流れです。
こんな作品を愛してきた人間が漫画を描くとどうなるのか?
体調良い!漫画描こう!
↓
再燃したBL描いたことない!描きたい!
↓
和ホラーばっかり描いてたから洋風、天使にするか!
↓
天使でBLなら堕天使しかないっしょ!!!!
↓
というどこまでもシンプルな理由で、すぐに「堕天しないで!ククリエルくん!!」というふざけたタイトルまで一気に決めました。
思いついた1番最初の内容は、
性欲強めで色欲の罪で堕天一歩手前のククリエル(ここまでは一緒)
ある日見たことのない天使(悪い堕天使、ルシファーだったと思う、後々カバネルになる)がやってきて、スケベに誘ってきて信仰を揺さぶってくる!!
という内容でしたが、ど〜してもこの形では話をまとめられなく後半部分で紆余曲折しました。
あとね、日本人独特の仏教を中心とした多神教的価値観が悪い方に働きまくって全然洋風な雰囲気にならなくて、
必死にキリスト教的価値観の効いた映画やオペラを見まくってダンテの神曲読みまくって勉強しました。
私は映画「ウィッカーマン(1973)」や「ミッドサマー」見て因習村の面々の方の価値観に共感した人間だったのを思い出しました。てへぺろ。
最初の頃の主人公のククリエル
名前はほぼ造語。天使っぽさを出すために名前の最後が「エル」。
とにかくムキムキのムチムチ(約:筋肉モリモリ脂肪もモリモリ細くない!)でなおかつ女子よりかわいい女子力も兼ね備えている、男の濃さと女の濃さがぶつかり稽古しているような中性的なキャラにしたかった。(植物のような線の細い中性的な雰囲気も好きですがそれとは別物にしたかった。)
何故か?私の性癖だからです。
ベルばらのオスカルや、少女革命ウテナ、聖闘士星矢の紫龍など、濃い中性的キャラが好きなんです。
参考にしたキャラクターからも分かるように、彼も自分の性別や個性を守るために戦うことに...なるのか?これBL漫画の話じゃなかったか?何を言っているんだ私は??
最初の頃の相手役カバネル
最初はすでに堕天したルシファーが天使のふりをして天上の天使に悪戯をしにやってきた姿…の予定でした。
今考えてもこの内容、シンプルで格好良くていいなあと思うのですが、どうやってもこれでは話がまとまりませんでした。なんでや!
その頃の名残で、私の思う堕天使の要素を多分に含んだデザインになっています。
まず、ルシファーじゃないんなら、名前を変えなきゃ。ということで、私の大好きなまさに「堕天使」という絵画の作者、カバネルさんから名前をお借りすることにしました。(堕天使カバネルで検索するとすぐ絵画の画像が出てきますよ。)
そして、おそらく私が思うにカバネルの「堕天使」を容姿のネタ元の一つにしたと思われる、スターウォーズEP3のアナキンに見た目を参考にさせていただいてます。
彼が堕天使じゃなくて誰が堕天使だというのでしょう?
それくらい私の中でアナキンは理想的な堕天使です。
ククリエルが一瞬でデザインが決まったのに対してカバネルが難航するのなんの。アナキンが髪を遊ばせすぎでどんな髪型なのか本気で分からないわ、唯一わかったオールバックだという点が天使の耳の羽と絶望的に相性が悪くクソダサになったわ(アナキンは悪くないのよ、私が悪いの)髪型からはじまって全てが2転3転していきました。
この辺までが前日譚です。
このあとくらいから現在の「堕天しないで!ククリエルくん!!」の資料となる内容なので、また別の記事にどんどん書いていきたいです。