SNSで「詩の書き方」についてご質問頂きましたのでまとめてみることにしました。自分のやり方を振り返るいい機会です。
とは言え、最初に書かなければならないことがあります。私のやり方にはひとつ問題があるのです。再現性がないのです。つまり、手順を踏んでも詩が完成する保証がありません。しかし、自分の手法をまとめておくというのはあとあとおおいに役立ちます。今でなら無意識にやっておけることが未来でも同じように為せる保証はありません。書くことの有用性であります。ではざっくり私の書き方を手順にしてみましょう。
Fuuの詩の書き方
自分がどんな人間であるかを把握する
心の内から自然に出てくる思考をつかむ
思考を日記として書き出しておく
作品を書くぞと意気込む
近い内に「書ける状態」が訪れるので、チャンスを逃さず詩として形にする
……すごく抽象的な手順になってしまいました。申し訳ないです。それぞれの手順について解説していきます。
1. 自分がどんな人間であるかを把握する
これはすべての作詩工程の基本であり、かつ最も時間を要するものです。とは言えどこれが最初から完璧にできている必要なんてありません。私だって自分のこと把握できてないです。それに人間ってどんどん変化していくものです。
これが何故すべての基本であるのか。人は自分の中にあるモノしか作品として取り出すことが出来ません。こう表現すると狭くてなんだか嫌なイメージがありますが、そんなことはありません。これこそが表現の多様性、素晴らしさを担う第一のものだと私は考えます。クリエイターひとりひとりの人生から作品が生まれてくるのです。とても尊いです。
やり方としては何が好きで何が嫌いか考える、そこから入ってみるのがいいかもしれません。判っている人はなぜ好きで嫌いなのか、ちょっと深掘りしてみるのはアリだと思いますよ! 嬉しかった出来事、腹が立った出来事についてなぜ自分がそう感じたのか立ち止まってちょっと考えてみるのは案外楽しいものです。好きなものから始まって気づけば自分の人生について考えていることもオツ、じゃないですか?
2.心の内から自然に出てくる思考をつかむ
自分という人間を少しだけでも把握すると、思考は独自性を帯びていくものと私は考えます。人生は無数に存在するもので、ひとつとして同じルートを辿る人生は無いのです。ちょっと哲学の思考法みたいな話ですが、流行や周囲の意見に流されてしまうことなく、自分の考えをみてみましょう。自分という存在を把握した上で心から自然に出てくる思考をつかんでみましょう。ちょっと難しいのが、他人と差をつけた思考をしようという話ではないことです。あくまでも自分から出てくる等身大の飾らない思考をつかむのがコツです。
3.思考を日記として書き出しておく
ネタ帳……ということになるのでしょうか。日記は面倒くさいという人もメモといった感覚で。書くことで頭の中の思考が形になります。更に文章にして読み返すことでそこから続けて思考を深めていくことが可能です。また、接続詞を用いた論理的な文章スタイルで書くと思考が深めやすいかもしれません。接続詞による文章の”型”といったものが発想が生まれるのをスムーズに手助けしてくれます。
ex.)「雨が降っている。しかし、傘を持っていない」
逆説の”しかし”が有ると無いとで「傘を持っていない」の出てきやすさが違いますよね
4.作品を書くぞと意気込む
意気込むだけでいいです。執筆のやる気を出すだけでいいです。もうここまで来れば、作品がこの世に現れる寸前です! なぜこの工程が必要なのか。これは自分の頭に向かって「私は作品を書きたいから、脳よ働いてくれ!」とスイッチオンにすることに等しいです。意気込むことで、無意識に働きかけるのです。そうすると脳は1~3で培った思考を勝手に培養してくれるモードになります。科学的なことは詳しくはありませんが脳科学の「デフォルトモード・ネットワーク」が関係していそうなので興味のある方は検索してみてください。
5.近い内に「書ける状態」が訪れるので、チャンスを逃さず詩として形にする
なんかメチャクチャなこと言ってますが、経験上そうであるとしか言いようがありません……。フロー状態とでも言えばいいのですかね。また、意図的に執筆の時間を設けてみるのもいいと思います。書いているうちにのめりこんできて筆が乗るのもよくあることです。
……いかがでしたでしょうか。再現性あんまないですね……。ですが、おそらくこの手順、詩以外のクリエイティブな活動にもおおいに役立つと思います。実践が非常にめんどくさい手法であることは間違いないので、この記事の読者さんが楽しいと思えるやり方を見つけるのが一番いい気がしてきました。でもここに書かれた内容を頭の片隅に置いておくことは有用かもしれません。何かに役立つ手法だとは思うのです。この記事が皆さんがすてきな作品をつくる手助けになれるのであればとても嬉しいです。
それでは良いクリエィティブ・ライフを!