この記事は「ふりかえりアドベントカレンダー2025(裏)」の9日目の記事です。アドベントカレンダー立ち上げ人のくせに、1枠最後に埋めればいいかなーと思ってたら表が速攻で埋まったので、裏に書き記していきます。
昨日のアドベントカレンダーは私でした。明日は小泉さんです!
場の設計をする
ふりかえりや会議など、誰かの時間を使って行う「対話」「ディスカッション」の場において、「とりあえず集まったのでやりましょうか」でいきなり集まって、価値を最大化できるのはレアケースだと考えています。
ましてや10人以上を集める場においては、全員が発言するのも難しかったりするので、そもそもその場が何をしたくて、どういう目的に沿っているのか、ゴールは何なのか、といった場の設計をしておかないと、集まった時間でそれぞれが作業や仕事をすることによって生み出す価値よりも、パフォーマンスが低いと周囲から言われてしまいかねません。
昨日、FORTEさんと一緒に社内で場の設計をしていたときに、複数人で場を作るってこういうことだよなぁ…というのを感じた部分が沢山あったので、ここに記しておこうと思います。
今回の前提
現地で30名程度、リモートで50名程度集まり、現地とリモートでの意見を拾いながら行う会議。事業方針や管理者層の想いを伝え、プラスアルファとして双方向性を持たせた議論をし、部員たちの理解・納得感も深めていくというものです。
前回まではオンラインで実施していたのですが、今回は現地で行うことになり、一人だと(やれないことはないですが)厳しい。FORTEさんが現地のファシリテーターとして声を上げていただいたのもあり、私+FORTEさんのペアで行うために、事前のブリーフィングを二人で行いました。
複数人で場の設計をするときに、相手に伝えること
まずは、下記の内容を相手に伝えます。
想定のゴール
予定しているアジェンダとその裏の意図
現状決まっていることと決まっていないこと
会場をどのように準備するか
相手への期待値
今回一緒に場を構成する仲間として手をあげてくれているのもあり、100点のものを作りこんで持っていくというよりは、60点くらいの状態で一緒に作り上げていくようにしました。
互いに出てきた話はこんなような内容。
グループワークをするか?
付箋を扱うか?参加者の意見をどのように収集して場に出すか?
オンラインの参加者をどう扱うか?
意見をください、といって全体に投げかけても、おそらく反応はない。どうやって意見を拾っていくか?
ファシリテーションの意図とその効果までを想定しながら話す
例えば、グループワークをして意見を集めましょう、というもの。時間の制約もあり、全員の意見を共有したり、伝えあう時間はありません。グループの代表者に話してもらうのはどうか、という意見が出てきたときに
匿名性がなくなるけどその影響はないか?心理的安全性が損なわれないか?
オンラインからの意見を拾うのはできるか?
意見が拾われなかったことに対して、不満は起きないか?
など、ファシリテーションの結果として生まれる影響を互いに話し合い、「現時点ではこういう選択をしよう」という話をしています。大事なのは「現時点では」というところで、当日その場を作ってみて、雰囲気を見てみないと分からない部分も多々ありますので、そこはファシリテーター二人で当日に意図を汲みながら進行を可変していく、という合意をしています。
行動によって起こりうる未来を複数想像しておくことで、当日に想定外の出来事が起こったとしてもすぐに対応できるようになります。引き出しは多く持っておき、当日使うのは1つずつ使う。使わない引き出しもたくさんある。そんな状態を作るのがファシリテーションだと思います。
ふりかえりも一緒です。
とはいえ信頼関係は大事
それなりに大掛かりなイベントをしようと設計していますが、今回ブリーフィングは30分。そもそも双方時間が取りづらい中でやりくりしないといけないのもあり、事前の設計や役割分担などはかなり細かく私の方で組み立てた上で、関係者10数人にお願いをしています。
ファシリテーター初めての人にこのレベルでポンと渡せるかというとそうではありません。FORTEさんとそれなりに長い付き合いではありますので、双方のパーソナリティがなんとなくわかっているからこそ、委ねられる部分、その場でなんとかできるだろうという安心感などがあります。
こういった「互いに集まったときに、パフォーマンスがすぐに出せる」ような関係性を社内の人たちと築いていくことも、社内ファシリテーターとしては重要なんだろうなぁと思いました。
私もファシリテーターとしてはプロフェッショナルの自覚と自負はありますが、自分のファシリテーションスキルを過信しすぎず、相手にも助けを乞う。二人だからできることを模索する。そんな持ちつ持たれつの関係を、今後もいろんなところで作っていきたいです。