はじめに
ここから読み始めた人でもわかるように、毎回記載します。
自分には漫画でこのシーンが来たら一気読みすると決めている漫画がいくつかある。そのうちのひとつ、「その着せ替え人形は恋をする」で五条新菜くんと喜多川海夢さんが付き合ったので一気読みしました。というか、言葉に表せないくらい凄くよくて一瞬で4周したし同じシーン何度も読み返したりしました。あえて言葉で表すと汚ねぇ声になりそう。
全部読んでいろいろと思いがあったので吐き出すような感じで感想を書きました。量が多いので物語の区切りごとに分割しています。
というわけで、つらつらと感想です。お付き合いいただければと思います。
天使様
冬コミなにやりたい?
『棺』合わせの後のアフタートークの続きから。コス納めの話から冬コミでコスしないの?と涼香さんからの質問。みやこさんから小道具だけ準備して既製品でどう?とふると新菜くんが小道具つくりたいと食いつきます。だんだんとものづくりの才能があふれ出てくる新菜くん。クオリティも涼香さんみやこさんお墨付きって感じで元々のレベルが高そう。
まりんちゃんが造形ありでやりたいものということで、ここで『天命』という作品名と天使様(ハニエル)というワードがでてきます。表紙も文字だけ、「彼の虜になる。」の帯。とちょっと大人な漫画の雰囲気を醸し出しています。天命読んでる中学生怖ぇ~といわれ、ちょっと年齢層高めなのを再度押してきます。まりんちゃんは『天命』の裏表紙にある爆美女(ハニエル)と目が合って運命から購入して好きすぎて髪のばしだしたくらい。色もそっくりで本当に似せているような感じ。ここで、帯だと彼、まりんちゃんは爆美女と例えていて、得体の知れないなにかでドキドキします。
新菜くんはさっそく天命の裏表紙をネットで検索。そうしたら目の色を変えて衣装作ると言い出す。すべて太文字で硬い意思な感じ。この後コミック全巻かって帰るしアフターもお断り。ひとりでかえっちゃうよ!まりんちゃんは引き留めようとするけど意に介さず決意表明。すっげー虜になってる。
最後に裏表紙のハニエルが掲載されているけど、髪がまりんちゃんそっくり。もしかしたらこの時点で文化祭の生ホスの時のように、まりんちゃんをみて心をわしづかみにされた感じに近くて、まりんちゃんの見た目に近いから自分が表現したいものを奪われたように感じたのかも???このあたりで、新菜くんの深層心理にはまりんちゃんが好きで虜になっているのと、すっごい嫉妬心があるのを表現していると感じる。だから、まりんちゃんと一緒にこのハニエルのコスをして勝負して、自分を虜にしたまりんちゃんはこれ以上だって証明したかったのかな。
そんな漫画の話、みんなの漫画の趣味がわかる一言が書いてあったけど、ジュジュさまの女児アニメ好きは振る舞いに対するギャップでかわいいし、涼香さんのスケベの気配があればは草すぎる。スケベ探知機ですか?ちなみに、6000万部は大体ベルセルクとかテニプリあたりと同じ発行数。そう言われると知らない人がいてもおかしくないかなとは思ったり。
天命
ここから天命13巻の内容に触れています。着せ恋は劇中劇もこっててすごいよね~読みたいとか知りたいとか思っちゃうもん。これでスピンオフとか作ったら売れそう。ハニエルは悪魔に心奪われ、白い羽をむしり、白い爪を剥がして悪魔になろうとする。自分の胸を焼き焦がすほど憧れた姿になりたい、そのために色々やってみるけどうまくいかない。これってちょっとコスプレに近いことを言ってると思っています。憧れの姿になりたい。体格差とか色々あるけどみんな工夫してキャラになりきっている。自分の好きなキャラになりたい。それこそ最初の衣装作りで失敗していたまりんちゃんがリンクするくらい。惨めで、哀れな姿が一番最初のまりんちゃんと重なるのがエモいね。
そして、造形まわりを教えてもらうためにアキラさんと通話しながら感想を語る新菜くん。天使に性別がないというので、帯にあった彼とまりんちゃんの言っていた爆美女が紐付きます。男と思えば男だし女だと思えば女、お得か?実際は両性ではなく性別がないので、そんな簡単な話じゃないんですが。
ここで作者である司波刻央がどんな人なのかに触れています。いままでとは異なり、明確に作品を作っている人がどんな人かというのを描いていて、今回はまりんちゃんのコスプレじゃなく、新菜くんの強い意志があるコスプレなんだと感じます。そして、司波刻央自身は異様に厳しい要求と強い拘りということで、ちょっと新菜くんに似ています。アサヒさんのこの人を納得させられる人はいないんじゃないか?という発言もあって、確固たる表現者で天よりも高いところにいる感じを醸し出します。新菜くんはそれに挑むのかー。
表現として面白かったのは、ハニエルは自分がいる世界なんて無視してずっとこっちを見ているということ。漫画の中のキャラではなく外の世界を知っているキャラが中に入り込んだ感じ。ギルティギア ストライブのハッピーケイオスにちょっと近い存在かも。
司波刻央まで得体の知れない感じがでてくるのは新菜くんだけでなく、冷静に話をするアキラさんがいるからな感じがある。たぶんアキラさんは司波刻央を理解して表現しようとしたんじゃないかな。でも、あと少しのところで手が届かない。だから頭の中をのぞき込みたい。みたいな???新菜くんはそれに立ち向かうけど、漫画読んだだけで黒い羽織の重要性とか、どう振る舞っているのかをどんどん的確に理解している。新菜くんはコスプレ衣装製作界隈の米津玄師かな???そして、上でも書いた「惨めで哀れでいじらしい」に出会った頃のまりんちゃんを思い出す新菜くん。元々ハニエルとまりんちゃんは髪を似せていたということで容姿がリンクしていたけど、考えていることも無意識のうちに新菜くんの中でリンクしてきている。だんだんとハニエルはキャラではなく、まりんちゃんとイコールみたいな深層意識を持ち始めてると思う。
ビスク・ドール
アキラさんとの通話後すこしして、新菜くんはじいちゃんや司波刻央のやっている表現を自分がやならいといけないんだと、目指すべき高みなんだと認識しました。表現者として高みに登っていく決意をした新菜くんがすごく印象的だし、これで突き進んでいくのも本当に凄いとおもう。
化粧をどうすればいいかと考え、ヨーロッパの人形のことに気がつきます。自分も家に和風と洋風のドールがありましたが、和と洋で顔のメイクの感じは全然違うんですよね。同じ事を達成するのにやっていることは全然違うモノって経験値の塊だからなー。じいちゃんの色んなもん見とけよも社会人としてすっごく刺さる。
最後に「ビスク・ドール」の一言。着せ恋のタイトルには「着せ替え人形」の部分にルビで「ビスク・ドール」と書いてあります。つまりタイトル回収です。自分はこの漫画を読む前は着せ恋の略称で認識していたのもあって、1巻をかって表紙みたときにビスク・ドールのルビが振ってあるな~とは思っていたけど、ついにここで回収するという激アツ展開。まだ先を書いていないですが、ハニエルとまりんちゃんがすっごく似ている、からのハニエルの化粧をするときに参考にするのはビスク・ドール。つまり、この後まりんちゃんがコスをするハニエルはまりんちゃんがビスク・ドールとしてハニエルを表現するという風に捉えられると思います。じゃあ、そのビスク・ドールの恋ってなんなんでしょうね。う~~~~この後の展開を知っているけど、何度読んでも凄く楽しみになる展開。
あとがき
冬コミのコスということで、いままでまりんちゃんがやりたい!ってなってはい、わかりました。と新菜くんが準備していました。しかし、今回は新菜くんがこれをやらせてくれという決意表明。そして、その決意表明をした深層心理は個人的には新菜くんに嫉妬心が芽生えたからだと思います。
ハニエルとまりんちゃんがどんどん重なってきて、そこに嫉妬心を燃やして自分が最高のまりんちゃんを表現するんだみたいな感じになってきているので、すごくイイ展開になってきているなーとおもっています。
まりんちゃんは告白タイミングを逃したけど、個人的にはもうちょっとまってね。という気持ちです。その代わりに新菜くんはまりんちゃんのことが実は好きなんだって気持ちがグングン芽生えているので、大きな果実が熟れるまでまっててほしいですね。