79年前の東京は「ルメイ」将軍が指揮した空爆作戦で多くの住宅が「破壊」されました。
それから、道路に関しては戦災復興計画は必ずしもまだ終わっていませんが、東京も日本も大きく変わりました。とはいえ、多くの方が膨大なお金を掛けて設計・建築・管理する住宅は所有者が変わると基本的には「破壊」されます。
そういう意味で、長い年月を掛けて「ルメイ」をしているような気もして、それがこの国で不動産資産の富の蓄積が難しい理由なのかもしれません。
URが毎年1000億円単位の「減損損失」を出していることも重要でしょう。もしURが作っているようなソビエト風建築が立ち並ぶエリアがもう一度「ルメイ」により空爆されたらプレステのゲームである「NieR:Automata」のような廃墟風的な街が作られてそれはそれで面白いかもしれません。それは一度に「破壊」するか毎年少しずつ「破壊」するかの違いしかないでしょう。
URが「減損損失」を出すときに、朽ちていく建物の美しさを打ち出せていない印象があります。どうしても新しいモノとしてお化粧したがるというか。千利休は韓国や中国ではゴミ同然の茶碗に美を見出しましたが、そうした美を建物にも見出す人が増えたらどうなるでしょう。