どの国でも不動産の市場価値をAIで算出するのは比較的容易になりましたが、その価値の源泉は結局何なのか考えてみると、次の需要であるように思われます。
そしてその需要を形成する要素の多くは公共財に対するものです。学校、病院、鉄道駅、交通網などなど。有名な建築家を使った豪邸でもインフラが整備されていないエリアでは価値は0でしょう(フランク・ロイド・ライト氏が設計した住宅の不動産価値の差はどこまでがその芸術性にあるのでしょうか)。
恐らくこのなかで一番重要なのは「学校」なのではないかと思われます。アメリカでは「財産税(固定資産税)」がその地域の学校の財源になるらしく、日本でも公立学校の設備の地域差は一定程度あるかと思いますが、裕福な家庭が多い地域の学校が更に良くなりその地域の不動産価格が更に高くなるというようなエンドレスのサイクルがあるようです。
日本では「学校」に関するデータはあまり公表されていませんが、オーストラリアや韓国では統一試験の結果が公表されるなどしていたかと思います。AI時代に知識を問うような統一試験で「学校」の評価をするのは難しい気もしますが、もう少し次にその不動産を利用するであろう人にとっての価値を今の不動産価値に反映させるような仕組みがあっても良い気もします。