東京エリアの限界と可能性

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世界の乗降客数ランキングを見ると、トップ10に東京圏の駅が7つも入っているのに驚きます。新宿駅に至っては、350万人が毎日訪れるそうです。下部構造が上部構造を規定するではないですが、これほどまでの交通インフラを発達・運用出来ている国は無いので、全世界の多くの方が東京エリアに来ると何らかの観点から驚かれるのでしょう。

東京エリアの特徴はその膨大な圏内人口を背景とした「消費文化」と江戸幕府以来の「政治権力」にあるのでしょう。こうしたエリアに日本社会全体のリソースが一定程度集中することは、規模の経済なり集積のメリットで、経済発展に寄与したのだと思います。

ところで、アメリカの首都であるワシントンで起業する人は少ないと思いますが、「政治権力」の街で新しいことをするのは想像以上に難しいと思います。東京エリアの街のリズムは毎年の100兆円単位の国家予算策定のスケジュールの影響がある気もして、良くわからないカタカナが氾濫されることも感じます。それを何か新しいものとして追い求めても、新しいのは国家予算の枠組みであって、本質的に何か新しいものでは無く、どこか徒労があるのでしょう。「消費文化」も、消費的なインスピレーションを得たいときは別として、継続的な創造性を生むときに必要な没頭のような感覚の邪魔になる気もします。

今後東京エリアを間違いなく襲うのは「大規模な地震」と「富士山噴火」です。その結果として生まれる膨大なガレキや火山灰は東京湾の新しい埋立地として処理されると思います。そのとき丹下健三の「東京計画1960」のような新しい街が作られるかもしれません。