甘党日記ハマヤの客日記 2024/3/16 きんつば|メニューチャレンジ

2024年3月16日。

堺東で取材。帰りに萩ノ茶屋駅で途中下車してハマヤへ。

堺東駅から萩ノ茶屋駅まで各駅停車で16分で到着する。

抹茶(300円)と「きんつば」(120円)をいただいた。

先日、井高さんに教えていただいた「最高の組み合わせ」である。

お茶席ではお菓子を食べ終わってから抹茶が運ばれてくるのだけれど、交互に食べた方が、お菓子の甘さと抹茶のほろ苦さが際立つ。

「きんつば」はこれまでもテイクアウトでいただいたことがあるが、お店で抹茶といただく方が断然美味しい。

抹茶はたっぷり入って、M〜Lサイズ分くらい。

きんつばの、パリッと香ばしい皮と餡子の甘さにホッとして、そこに抹茶を口に含むと、三重奏の味わい。

「甘党喫茶に来た〜って感じがします」と、今更なことを言ってしまった。

今回は「きんつば」の製作秘話を伺った。

「わたしとマスターの合作なの」と陽子さん。

中の餡子は陽子さん担当、衣をつけて焼くのはマスターの担当なのだそう。

まず小豆を炊く。途中で、ぜんざい用、赤飯用、餡子用と分けていく。

餡子用はさらに、おはぎ用ときんつば用に分けられる。

きんつばの餡子には、溶かした寒天を混ぜ、専用のバッドに入れて一晩寝かせる。

ここまでが陽子さんの仕事。

翌日からはマスターの仕事。固まったバッドの餡子を切り分け、表面に衣をつけて、銅板で焼く。

銅板は温度管理がしやすいそうで、色々試した結果、専用の銅板を購入。パンケーキも銅板で焼かれているのをよく見るのは温度管理が理由だったのか。

衣はいくつかの粉をブレンドして作っている。配合は「企業秘密」とのこと。

「昔、玉出に美味しいきんつばを作るお店があって、そこの味を再現したくて作りはじめたんです。きんつばの衣って、柔らかいのが多いでしょう。僕らはそのお店で作られていた薄くて硬めの衣のきんつばが好きで、それを目指して作っているんだけど、なかなか難しい。いまだに『今日のはもうちょっとやったな』って時があります」

マスターが言うのだから、きんつば作りは想像以上に難しいものなのだろう。

和菓子の材料はシンプルゆえに難しい。毎日安定して作るとなると、さらに難易度が上がる。そこに職人の腕が問われる。けれど、あくまで素朴なものだから、こだわりが出っ張ってもいけない。

お二人から話を聞くたびに、こんなに手間がかかっていたとは……と、驚かされることが多い。

萩ノ茶屋駅前、薄緑の暖簾が揺れる素朴なお店のショーケースに、今日も思い出の味と試行錯誤が詰まった「きんつば」が並んでいる。

【甘党・喫茶ハマヤ】1951年創業

大阪市西成区花園北2丁目8−5(MAP)

(南海電鉄高野線「萩ノ茶屋」駅前)

12時から18時 日曜・水曜休み

@wakokato
大阪市西成区花園にある「甘党喫茶ハマヤ」が好きすぎて書いています メインのブログはこちらです→ sandgasa.exblog.jp