ギオンスでラグビーを観に行った話(2024.02.24 相模原ダイナボアーズ対静岡ブルーレヴズ編)

waratas
·

・神奈川県民なので横浜キヤノンイーグルスと三菱重工相模原ダイナボアーズの2チームは毎年定点観測しているのだが、今年は相模原の試合をなかなか観れずにいた。自宅からギオンスタジアムのアクセスは、少々良くない。体力と気力、そしてお天気。この3つが充足した時に、足を運ぶのがベターと言える。

・こう記すと「ギオンスタジアムが嫌いなのか?」と思われてしまうが、むしろ「ギオンスタジアムのダイナボアーズ戦が好き」である。からっ風が気にならないくらいの暖かいホスピタリティー。今日も多数のキッチンカーやラグビーグッズ売店だけでなく、子供向け遊具や地元サッカーチームのブースなども揃っていた。トップイーストで燻り、悩み続けていたときも、この暖かなカルチャーは不変だった。

・リーグがアマチュアからプロへと舵を切る中で、応援の雰囲気も変わっていった。ここぞというタイミングで掛け声や応援歌が響く。騒がしくなりすぎず、かつテンポはちょうど良い。

・試合は目まぐるしくトライを奪い合う打ち合いになった。序盤の主導権を握ったのは静岡。特にスクラムでは相手を圧倒。「大阪のおばちゃんが見ても勝ったとわかるスクラム」と以前指揮を執っていた清宮氏が仰られていたが、まさにそれを具現化したと言えよう。マロ・ツイタマの迫力としなやかさを組み合わせたランもお見事だった。

・ところが、ゲームは一方的にならないから不思議なものだ。相模原の実力、意地はもちろん、静岡のバックス陣がファイヤーフォーメーションすぎたというべきか……。相模原のランナーたちも、ここまで楽に走れれば、トライを重ねられるものである。

・特に目立ったのがスタンドオフのジェームズ・グレイソンだ。蹴って良し、走って良しだが、今日のハイライトは前半20分にカーティス・ロナのトライをアシストしたラストパスである。相手ディフェンスのギャップをつく、少し遅めの柔らかなパス。スタンドから見ていても、時が止まったかと思ってしまった。

・後半も両チームがトライを奪い合う展開になったが、分岐点は後半30分以降のスクラムだろう。両チームの1列目がメンバー交代し、かつ静岡のプロップ・茂原の負傷交代で流れが変わった。全く押せなかった相模原がスクラムで攻勢をかける。後半35分、36分と2本連続でスクラムのペナルティを奪ったことで、大勢は決したと言えよう。スクラムで勝ち喜ぶメンバーの中で、相模原のフッカー・安江が安堵の表情を浮かべていたのが印象的だった。

・以前よりも攻撃的なラグビーを相模原は志向している印象だが、要所要所ではディフェンスもしっかりしている。スコアほど「守備が……」という印象は無かった。静岡が酷すぎたのかもしれないが。スクラムがそうだったように、試合中の修正力がより高まっていけば、下位グループからの脱却も夢ではないはずだ。

・というわけで、非常に満足度の高いラグビー観戦になった。試合後の挨拶。応援席からザ・ブルーハーツの「リンダリンダ」のメロディーに乗せて、老いも若きもチャントを歌う。エンターテイメント性が増しつつあるリーグワンの中でも、このような「手作り感」があるスタジアムも良いものだ。故に、僕はまたギオンスタジアムに足を運びたくなるのである。

・最後に個人的なメモ。ギオンスタジアムの行き方は「相模大野駅などからバス」と「原当麻駅から徒歩」の2種類に分けられるが、今回は帰りに初めて原当麻駅まで歩いてみることにした。各種案内では「徒歩20分から25分」と紹介されていたが、帰りは下り坂なのでもう少し早く駅まで到着することができた。歩道が細いのは気になったが、それ以外で疲労感をもたらす要素は少ない。道路の混雑が多々発生して帰り道のバス移動にストレスを感じていたので、これからは原当麻ルートも活用していこうと考えている

@waratas
ワラサン出版社の和良拓馬です。よく出没する場所:神宮球場、秩父宮ラグビー場、三ツ沢球技場、ギオンスタジアム、東京競馬場、大井競馬場、よしもと有楽町シアター、横浜駅からみなとみらい間など。そんな森羅万象への小ボケと職場への嘆きを呟く社会人13年目です