・いい試合だったのでレポートを書こう! と思ったら1週間経過してしまった。サラリーマン業が色々と芳しくないもので……という言い訳は書いておく。3/10の対神戸戦は完敗に終わった模様だ。相模原のペナルティが19(※神戸は3)というのはどういうことなの……。ということは忘れつつ、これから先週の相模原の良かったところを記録しておこう。
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・ダイナボアーズのアップセット! というのが試合結果への標準的な第一印象なのだが、深堀りすればするほど、そう見えなくなってしまう。なぜなら、ダイナボアーズの勝ち方は「強いチームだけど試合内容が悪い勝ち方」だったからだ。
・不調から脱却に向け、一筋の光が見えてきたスピアーズ。そして、静岡戦の勝利で自信をつけたダイナボアーズ。力関係では昨年のチャンピオンであるスピアーズが格上なのだが、前半4分にダイナボアーズの鶴谷がトライを奪い、ゲームは思いがけないスタートを切る。
・このトライで両チームのアタックに火がついたのか、互いにフォワードもバックスも持ち味を発揮した打ち合いに。とは言え、自力だけを見ればスピアーズの方が強い。7点差のまま終わりと思われた前半のラストプレー、立川のキックパスをベン・ポルトリッジが奪うスーパープレー。このトライで再び流れが変わったと感じる。前半18分のトライは彼のプレーがアシストになっているが、これに関しては少々軽いプレーではないだろうか……。
・後半も「先手を奪うスピアーズ」と「食らいつくダイナボアーズ」の構図が続く。それが崩れたのが後半30分に決まったスティーンカンプのトライだ。ダイナボアーズはこのトライを奪うために、9つのフェーズを重ねた。それは先の静岡戦にも言えることだが、苦しい時間帯でも焦ること無く、着実に攻め続ける体力と精神力で決めた一本だ。今のダイナボアーズがどこを鍛え、どのような試合を志向しているのかが伝わる一本だった。
・最後までスピアーズに詰め寄られるハラハラした展開だったが、結果は34−28で逃げ切り勝ち。残留争いを飛び越え、プレーオフも少しだけ見えてくる大きな勝利となった。冒頭でも述べたが、ダイナボアーズの内容が必ずしも良かった訳では無い。特に、グレイソンがここまでキックを外すとは……。もう2点、3点が決まっていれば、もっと楽に勝てたかもしれない。ただ、そんな不調な選手の穴を埋める連帯感が今の相模原にはある。応援席も含め、引き続き熱い試合を期待したい。
・裏を返せば、スピアーズの現状に色々な心配が芽生えているということだ。トライに関しては「個の力」の要素が強く、後半はピタッと勢いが止まってしまった。スピアーズのホストゲームに足を運ぶのは初めてだが、熱心なスタジアムDJや音響効果とは裏腹に、アーミーたちの士気は大人しめな印象を抱いた。江戸川だったら、少し違う結果になるのだろうか? 昨年のプレーオフ決勝で「トップリーグのクボタとは異なり、もはやスピアーズは中堅ではない」と僕は記した。3/9のトヨタ戦でも痛い一敗を喫してしまったが、まだ王者の矜持を持ち続けて戦って欲しい