怖いものは苦手だ。グロいのはもっと駄目。
おそらくわたしが怖がりな理由の一つには腹の奥底に摩訶不思議な出来事を真実として扱いたいという欲求があるからだと思う。
おばけがいるならいてほしい、でも自分の前には出ないでほしい。
そんな傲慢な欲求とでも言おうか。
そんなわたしだが、ワケあってアイドル……ではなく理由あってホラーコンテンツにちょこちょこと手出しをしている。
それもこれも『フェイクドキュメンタリー「Q」』というYoutubeにあるチャンネルに出会ってしまったせいだ。
先に述べた通りわたしは心の何処かでは怪奇現象が真実であってほしいと願っている人間である。そんなわたしにとってこのチャンネルはクリティカルだった。「もしかしたら本当に……」という気になってしまうのだ。
どの回も趣向を凝らして視聴者をいやーな気持ちに陥れているのだけれど、わたしは特に留守番電話・来訪・怪談がお気に入り(殿堂入りがラスト・カウントダウン)
特に留守番電話の回はもうすごい。映像的にはほとんど変化がないのに数分間をヒリついた緊張感が支配し、最後には訳が分からないまま断崖に立たされ背後からトンと背中を押される感覚。
この瞬間がたまらなく好きだ。視聴者を置いてけぼりにするのではなく、「じゃ、いってらしゃい」と恐怖のどん底へ送り出す心遣い。
最新話が公開されるたびに、わたしは「たまんねぇな……」と一人で唸っているわけである。
で、何故こんなことを書いているかというと、このチャンネルに携わっている人が新たに放送されるテレビ番組に関わる、と知ったからだ。
見るっきゃないでしょ!……震えながら。