我が家は車での移動が多いこともあってJAFに加入しているわけですが(実際タイヤのパンクとかバッテリーあがりとか、頻繁にお世話になっております)、JAFの会員になると年に何回か機関誌(季刊誌?)として「JAF Mate」という冊子が届きます。
この冊子、いろんな地方の観光スポットやグルメの紹介、JAFの活動から得られた安全運転のための知見が書かれていたり、車の運転でよくある場面から危険予知をしてみるクイズなど、けっこう内容が盛りだくさんでして、紙の冊子が大好きな僕は毎回すべてのページを楽しく読んでいます。
他にも車好きの芸能人の方がコラムというかエッセイを連載してたりしまして、今回紹介するのは みうらじゅん氏 のエッセイ記事です。
みうらじゅん氏はよく知られた仏像好きではありますが、作家の いとうせいこう氏 と仏像絡みで交流が深く、互いに"仏友(ぶつゆう)"と呼び合う仲だそうです。
二人がある雑誌で始めた「見仏記」という連載記事がありまして、現在までに何冊も単行本化されているそうなのですが、その第1巻の巻末に、次のような文章が書かれているとのことでした。
三十三年後の三月三日、三時三十三分に 三十三間堂の前で会いましょう。そんなおかしな待ち合わせを、我々はしていたのだった。
その「見仏記」の連載が始まったのが30年と少し前。つまりその「約束の日」が近づいてきてるねえ、もうすぐだねえ、なんてことをみうら氏、いとう氏で話したんだ、と。そういう内容でございました。
なんだか素敵な話だなあ、と思ったんですよ。
30かそこらのいい歳こいたお兄ちゃんふたりが意気投合して「30年後にまたここで」なんて半分冗談みたいな約束をして、健勝に歳を重ねてすっかりおじいちゃんになったら「もうすぐだねえ」「よし行きますか」なんてやりとりをしてるわけです。
この男たちの友情を素敵だなあと思うと同時に、洒落た約束を思いつくセンス、ふたりの関係、いろんなものが羨ましく感じられたりもして、もにゃもにゃとほっこりした気分になって、冊子を閉じて僕は仕事に戻ったのでした。
そういうお話でございます。