豚の角煮が食べたい

watagashi
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星座占いが始まったのでテレビを消した。今日は多分、良い日になるはずだからだ。

昨日の私は、閉店間際のスーパーと睨めっこしながら、半額になっていた豚ばら肉の塊を手に入れていた。枯れかけた花の金曜日、最高の戦利品だった。

母に押し付けられた大きめの鍋を引っ張り出す。一口のコンロがどこか張り切っているようにも見えて頼もしい。

はて、さて。

私はスマートフォンを取り出し、豚の角煮を検索する。おそらく白ネギ、生姜あたりが必要であろうと、昨日角煮と共にありたそうな食材は手に入れているので怖いものなしだ。

「ああ、ゆで卵かあ」

思わずこぼれた声が、一人きりの部屋で跳ねた。ゆで卵、絶対に入れたいに決まってる。

冷蔵庫を開けると、卵が一つ。今日は絶対に一歩も家から出たくない私と、ゆで卵が一つでいいのかと揺らぐ私の一騎打ちだ。

結果、ゆで卵は一つでも角煮は完成するという、私の有り難い格言により、私は小さな鍋を取り出した。冷蔵庫に貼られたベストゆで卵茹で加減表を確認して、スマートフォンのタイマーをセットする。

インターネットと相談しつつ、ゆで卵を茹でながら角煮の用意だ。

私はソファに深く座り、SNSを開いた。